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古代に生まれた神話が、どのように変遷したかを中世に求めた本である。
読んでいるうちに、京極夏彦の小説に出てくる京極堂の薀蓄&憑き物落とし を聞いているような気になってしまった。 というか、京極氏もこの人の著作は参考にしてるんじゃないかなあ。 と思って「塗仏の宴-宴の始末」の巻末を見たら、しっかり同氏の「異神」が 参考文献に挙がっていた。うはは。 この「異神」も気になっているのだが、結構、高いのだ(笑)。上下巻だし。 さて、「中世神話」で登場するのは、神話全部のことではない。 メインとして「天地開闢」「国生み」「天孫降臨」の三つが取り上げられてる。 これらが仏教と繋がり、権威付けに使われ、解釈が解釈を生み、そりゃもう、 ややこしいことになってくる。 その時代における考え方・捉え方を見据えながら、変容を辿っていくわけで、 当たり前だけど一筋縄では到底ムリ。 ともかく、古代へ回帰するでもなし、再生するでもなし、この中世という 時代に、なんか新しい神話世界を作っちゃってる。そこが面白い。 あと、伊勢神道に対する見方がちょっと変わってしまった。 その名も高き伊勢神宮が、権威付けのためそんなことをしてたの?とか、 内宮と外宮の関係がそんなことに?とか、ちょっとびっくりしたのだ。 ようするに、文献を都合よく作成してたりするわけです。 まあ、伊勢に限らずどこでもやってるんだろうけど、歴史が造られる一面と いうやつを、垣間見た感じ。 この「編集」パワー、恐るべし。 中世神話 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年02月14日 03時36分40秒
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