カテゴリ:仕事のこと
一昨日イヤイヤだった老人ホームでの仕事が終わり、来週いっぱいまではちょっと気楽なお仕事が続きます。
いつか前に書いた医者の診断書とかの書類の判読サポートの仕事です。 この仕事、非医療関係者さんがスキャナで読み込まれたパソコン画像を見て、その文章を打ち込むんですが、なかなか面白いことが多かったりします。 読み間違いだったり、慣れてきたゆえの間違いだったり… 例をあげるならば、医療系文書にだんだんと慣れて、『ステロイド』という言葉を覚えた打ち込みの方がいたとします。 『ステロイド』は炎症なんかを治すために使われるお薬の種類(?)みたいなもの。 “ステロイド投与”、“ステロイド治療”なんて風によく使われる言葉だったりする。 だけど、医療用語って普通は使わない言葉がもちろん多いわけで、疾患とかが分からない人にはもちろん意味は分からず、言葉だけを覚えられてしまう。 この『ステロイド』を覚えた人は、心筋梗塞や狭心症の治療として血管内に埋め込む『ステント』を読み違い・勘違いをして… 結果;“術名;右冠動脈ステロイド留置術” なんてことになっていたりする。これが結構よくある。 読みにくい言葉は判読サポートを呼んで聞いて入力することになっているけど、慣れてくると入力する人からの質問は減ってくる。 そして、その分間違いをしていて、背後から覗くとびっくりすることが結構ある☆ それは余談として、今日は不思議な人(入力してた人)がいた。 たまたま遠くで呼ばれたので行ってみると、その彼が読んでいた診断書はかなり字が薄かった。 そうなると、『ステロイド』が『フラ○人人"』てな感じにしか読めなかったりする。 だけど、そこはやっぱり書き手と同じ医療を仕事にしているのが判読サポート者なので、見える字を頼りに書き手の意図を読み取り、それなりに本当の文章を解明・判読する。 この不思議な彼が格闘中の画面は、『認つ、リハヒしつつ、退院ナ。外来f/uす』 原本の字が薄ければスキャナはきれいに読み取れないけれど、文章を考えれば正解はこうなる。 『~認つ、リハヒしつつ、退院ナ。外来f/uナ』 ↓ 『~認め、リハビリしつつ、退院す。外来f/uす(外来follow upする)』 この部分を彼は聞いてきたから、きちんとf/uはフォローアップの略だってことも含めて伝えた。 なのに、なのに、彼はどうみても『認め』は『認つ』にしか見えない!と主張し、聞いてきたのに受け入れていただけない。 しかも、『つ』の出だし部分がとても太くなっているので、『め』がくずれた字だと説明しても納得してくれない。 ついでに、『リハビリしつつ』も『リハビリつつ』だと主張し、まるで今の若者言葉のようなおかしな言葉が正解だと主張する。 おまけに、『○○す』(病院の書き物ってなぜか“する”をただ“す”とよく書く)も『○○ナ』だと言って、やっぱり意味の通じない文章を打ち込んでいる。 “変な人だな~どうしよう?”と思っていると、この不思議くんは隣の人に 「よしっ。お隣さんに聞こう!ねぇねぇ、キミ!この点についてどう思う?」 いや、本当にこんな喋りで、同年代男性だとは思えず、どうみてもちょっと変わり者。 言動すべてが摩訶不思議。 …そして尋ねられた隣人は。 無視した(・-・*) だけど、チラッと不思議くんの後ろに立っている私を見上げて、まるでご愁傷様♪とでもいうように軽く笑顔を見せてくれた… そして不思議くんはめげず(!?)に独り言。 「う~ん、誰にも謎はとけないか!う~ん…う~ん… よし、このメモって欄にこう打っておこう! (認つ→認め?、リハビリつつ→リハビリしつつ?、退院ナ→退院す?)」 サポートが仕事の私は、彼が正解を打ち込んでくれないとその場を離れられないのだけど、わざわざ違うことを打ち込む彼を諦めて(だって彼の元へ行った直後に判読できてるのに10分以上そこで彼の相手をしてる)、 「私は…(正解分)と読みました。それを打つのはあなたのお仕事なので、任せます。じゃあ!」 と、退散 通常は長い時間一ヶ所で判読サポートが判読に苦しんでいると、他のサポートさんなんかが助けに来てくれるけど、彼の元には誰も来なかった。 ていうか、遠めに私を慰めているような視線を感じた。 きっと、こうして彼はサポートにも避けられていってるんだろう… 今回の私は、どうして誰もあの人のとこ行かないかな~と思って、遠いとこから行ってみた。 だけど、私ももう行きたくない。 結局、彼が担当したその文章は間違った微妙におかしな読み込みがされ、メモ欄にもしかしたらこう読むのかもよ?的な感じに私の言った正解がメモされた。 目の前のものから発想を広げる能力(?)に劣る人なのかもしれないけど、1ヶ月以上隣で仕事してる人にも見捨てられる不思議くん(私は隣人に同情する)。 彼を雇ってる会社も仕事として大変だろうけど、世の中いろんな人がいるもんだ…と驚いた。 …そういえば、今回のこの仕事で、私は今までサラサラヘアな男性が好みだったはずだけど、スキンヘッドや短いボウズ頭に心奪われていることに気づいた。 スキンヘッドな入力者さんが多いエリアが私は楽しい 仕事上、お年寄りと接してばかりの私はこんなに若い人が職場にいたことがなかったので、気づかなかったけど、いつの間に好みが変わったんだろう… キッキさんにスキンヘッドを勧める日も遠くはなさそうだな~。 …ん?でも、色白さんのスキンヘッドが好きな感じだから、キッキさんじゃあダメだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 6, 2007 07:54:08 PM
[仕事のこと] カテゴリの最新記事
|
|