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テーマ:今日の出来事(291389)
カテゴリ:心のひだ
今日は私、ある福祉施設へ行ってきました。 そこは、先ブログのおばあちゃんAさんの入所先。 なにぶんにも高齢なので、 「会いたいと思った時に、会っておかなくちゃ。」 そう思ったから行ってきました。 明るいお部屋で、お友達も出来、さぞかし楽しく過ごしているのだろう。 と、明るい気持ちで訪問しました。 お土産で持っていったコーヒーゼリーを食べさせ、 私は当然、近況を尋ねる。 元々口数が少なくおとなしいAさんの第一声は・・・ A 「いつも逃げ出すことを考えています。」 私 「・・・。」 私の「どういうところが嫌なの」の問いに、 A 「(ここは)束縛が多い 別の階へ散歩しに行こうとすると、叱られる。」 今まで高齢ながらも、気丈に一人暮らしをしていた彼女からすると、 そう感じるのもよくわかる。 が、介護する側からすると、色々な仕事を抱えていて多忙だろうし、 目が行き届かず怪我でもさせたら、それこそ問題だろうしね。 難しいわよねぇ。 2人でお喋りしていると、一人の男性介護士さんが、 同室のお昼寝中のおばあちゃんを誘いに来た。 それを小耳に挟んだ私が彼に訊ねてみると・・・ 同階のフリースペースで、歌などの催しがこれから始まるとのこと。 私 「歌の時間が始まるみたいね。よしっ、私たちも行ってみようか。」 A 「はい。」 主催はボランティアの方々だと思うんだけど、 一緒に歌を歌い、簡単なお遊戯や紙芝居などもあった。 A 「こういうの(催し)があることを、初めて知った。」 私 「・・・。」 その間にAさんの顔をふと見ると、彼女の目に涙が溜まっていた。 そっとティッシュで拭いてあげる。 それから私は、”一人で行ってはいけない” と常日頃言われている下の階の売店へと、 彼女を連れ出すことにした。 手をつなぎ、そこへ向かう途中、 私 「それよりAさん、私が売店で飲み物買ってる間に、 ”脱走”なんかしないでやぁ。ぎゃはははは~」 A 「あははははは・・・しません。」 私 「そうなったら私、走って捕まえちゃうからっ」 A 「あはははは~」 介護士さんから、その日のおやつだと手渡されたちっちゃなアンパン。 Aさんは、二つにちぎった片方を私にくれた。 2人でポカリを飲み、アンパンを食べながら、 私 「ところでAさん、いくつになられたぁ」 A 「8×歳です。もう生きたくないです・・・。」 私 「うふふ・・・でも、そんなこと言わないでよ。 もっと生きたいのに、若くして死ぬ人もいるんだからさ。 神様から与えられた寿命だしさ。」 A 「そうですね。」 私は、そこに2時間ほども居たのだろうか。 帰り際に私は、介護士さんにこうお願いした 私 「今日のような歌など催し物がある時は、 Aさんにも、是非声をかけてあげてください。 お友達が出来れば、もっと楽しく過ごせると思いますので。 なにぶんにも、おとなしい方ですのでね。 その点、どうかよろしくお願いいたします。」 今度彼女に会うのはいつになるだろうか。 いや、それよりも・・・ 再び私が行くことは、許されるのだろうか。 ご家族にしてみると、私の存在自体が煩わしいものだろうしね。 私が帰る時、彼女はエレベーターの前で私を送ってくれた。 だけど・・・ 「また、来るからね。」という言葉を、私は呑み込んだ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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