塾物語 20
生まれて初めて足がすくんだ日から 僕は自分の今までの塾業務について 生徒・保護者・講師との関係 営業・教務・事務・それらを含む経営 考えられる事、すべてを改めて見直した ひとりひとり浮かぶ生徒の顔 こいつらの成績全部あげる・・・とにかくそれに尽きる 講師達は僕を見てる 彼らは僕の意識の変化に一切戸惑いを見せない まず学生講師達が担当する生徒に変化が・・・ これは顕著な例だが、1学期の中間テスト 理科8点の生徒が2学期期末90点 これは学校で大騒ぎになった 僕が持った生徒では、数学で30点いかない子が 86点まであがった それぞれの講師がこのような物語を 生徒と一緒になって紡ぎだしていった ノリや勢いではなく、みんなが 自分のやるべき事をやっていった 生徒の前で怒鳴られる講師 講師のために歯を食いしばる生徒 1年前の派手さはない しかし、着実に教室の力はアッップした あの日帰ってから、僕は講師に初めて嘘をついた 「なんだか、お忙しいそうだから、声かけずに・・・」 僕はあの塾に憧れなんて抱いていない 僕は僕の塾を最高にするんだ 相手になる・ならないなんて関係ない 勝負事なんて勝つか勝つまでやるしかないんだ 僕の人生は年下の男の存在を知って変わった この男に勝つ気持ちで戦ったら 僕は地域で絶対に負けないはずである だって、この男より爆裂な奴、このあたりにいないもん 出てこないでしょ、まず 今、この瞬間もこの男は、なりふり構わず生徒と向き合っている 僕の勝負は生涯かけて戦わなきゃ決まらなそうだ