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テーマ:小説書きさん!!(628)
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「片想いの体温」
~手代木先生の話~ 以前に谷川先生と望月先生と来た時とまるで変わらない店内なのに、 1人で来ると全く違った雰囲気に飲み込まれる。 ”俺、かなり緊張してる?” この前の《咲花》での行動。 この初子さんは俺を叱るだろうか。 でも、叱られたかった。 叱られて、楽になりたくてここに来た。 もうどうして良いか分からない自分をぶちまけたい。 今日の本庄功介のように・・・。 俺はイカゲソの唐揚げを目の前に、生ビールに口をつける。 見回すと、空いている店内に知った顔があった。 ”何て言ったっけ。渡良瀬の言うエロオヤジ。” 向こうも気が付いているかもしれないが、 あえてこっちから目を合わせないようにする。 空いている店内のわりに初子さんはまめまめしく働いている。 ”もう帰ろう、座っていられない・・・。” 結局ビールも半分しか飲まなかった。 立ち上がろうとした時、 「――さて先生、聞かせてもらおうか。」 初子さんが隣に座る。 片手にラムネのビンを持ちながら。 「お店、大丈夫なんですか。」 「だって、混んでないもん。」 「・・・。」 隣に座られても、いざとなると、何をどう話してよいのか分からない。 喜春さんに渡良瀬氏の死に意見して、顔を叩かれた話からすればいいのか。 泣いた喜春さんを思わず抱きしめてしまった事を話せばいいのか。 それを見た渡良瀬について話せばいいのか。 それとも、あの日以来気まずくて《咲花》に行けない事を話せばいいのか。 だいたい俺は何に罪悪感を持って《咲花》に行けないのか。 そしてこれは、喜春さんと渡良瀬と俺の事なのに、 なぜ何一つ関係ない初子さんに叱られると思うのか。 どうして叱られたら楽になると思うのか。 「聞きたい事って何ですか?」 俺は少しぶっきらぼうに話す。 「ボクちゃん、喜春にほっぺぶたれたって。」 「・・・喜春さんが渡良瀬先生が死んだのは自分のせいだって、 あんまり自分を責めるから・・・。 残る可能性が高い強い後遺症の世話をさせる事無く死んでいった 渡良瀬先生は喜春さん孝行だって・・・ こういうあきらめ方もあるって。。。 でも、悪い意味で言ったんじゃ無くて・・・。」 「・・・分かってるよ。」 「そしたら、ガキのくせに知った口きくなって。 そう言いながら、喜春さん泣き出して・・・ すごくすごーく泣いて・・・ その姿があんまり悲しくて、俺思わず・・・。」 「ありがとう。」 「―――えっ。」 ------------------------ 皆さんこんにちは。 朝晩かなり冷え込んできましたね(><)! 寒がりの私は早速今年も生姜のはちみつ漬けを作り始めました。 これ、薄切り生姜を漬けるだけで2~3日でジンジャーシロップに出来上がり。 レモン汁加えてお湯で割ったり、ホットミルクに入れたり。 美味しくて体が温まります。(^-^)♪ さてさて、手代木先生ってば、叱られると思ったら 初子さんから出たのは感謝の言葉?! 初子さんの想いは・・・。 次回をお楽しみに♪ みなさんも風邪ひかないように、たくさんビタミンとってくださいね! *aco* お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Nov 22, 2009 08:22:51 PM
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