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<双方向の学びの場を企む>AINファシリテーター養成講座
2010年10月3日@堺筋本町 テーマ「コンセプトを深く理解し、カリキュラムの作成の仕方を学ぶ」 以下、AIN KANSAIの事務局のかわやんが議事録をまとめてくださったのでシェアいたします ~はじめに<アイスブレイクをかねて>~(場の配置はサークル) オランダ国際会議の際、ひかるちゃんが、ストリートチルドレン用に開発したインプロアプローチを使ったワークショップ事例をもとに、今回の講座のカリキュラムはすすめられていった。 1。オランダのストリートチルドレンとは、どういう子どもたちなのか? ・親に見離された子ども ・親の身勝手な欲求を満たさす為に、男なのに女として育てられた子ども。女なのに男として育てられた子ども。そういう子どもは自分のジェンダーに戸惑い、自尊心が低くなるそうだ。 2。どういう依頼だったか? 二時間で日本文化に触れることをテーマに依頼された 3。依頼に基づき、どのようなことを意識してカリキュラムを作ったか? ・彼らに日本語を教えたい。 ・ただ日本語を教えるだけじゃ面白くないと思ったので、体感型に出来ないかと考えた。 ・すぐに口に出せる言葉であり、日本のマナーも教えたいと思った。 ・そのためにいくつかの日本語と数字が言えるようにしたいと思った。 ・その結果、「日本って良いよね、行ってみたいな」と思ってもらいたいと思った。 ☆このように、カリキュラムを作る時は、「目的を決める」ことが重要である。 ●「目的」を達成する為にインプロ的アプローチを使ったワークを体験してみる。 1。ラジオ体操をやってみよう ラジオ体操をすることで身体がほぐれるし、集団で何かをするという日本の文化にも触れることができる。そして何より、終始1,2,3と数字が流れる為、目的である数字を覚えてもらうには最適だと判断された。 <かわやんの補足> 今回の記録では、事前に説明をした後でワークという順番になっているが、実際は何の説明もなく、ワークが開始と同時にアイスブレイクとしてラジオ体操やそのゲームを行った。 →(最初に意図を説明した後でワークを体験する場合と、意図の説明をしないままワークを体験させ、ワークが終わってから意図を説明する場合があるが、カリキュラム作りの狙いとしてどちらを先にしたほうが良いのか重要な要素だと思った。) 2。1ー2ー3(2人組み) <ゲーム方法> Step1 ペアになり交互に、1,2,3と言い合う。 Step2 1という際は、手を叩く、後はバージョン1と同じ Step3 1という際は、手を叩く、2というときはジャンプする。3だけ声を出す。 <ゲームを通してのレクチャー> ・このゲームをしたのは、リピートしながら数字を覚えてもらう為 ・互いに間違いを受け入れることを尊重していく為に、間違えたら喜びながら「ばんざい」といいましょう。というルールを決める。→間違いを受け入れましょうということを伝えるワーク。 ※講師の中には間違いを否定し、スケジュールどおりにやろうとする人が存在しているが、そのときは受講生を観ながら講義をしていない。結果として、場が張り詰め固くなり学びにふさわしくない環境が出来上がってしまう。講師自らが率先して、間違いを受け入れ尊重し合える関係を意識していると、学びの場が柔らかくなり、その場を感じた受講生は楽しく参加しながら学んでいくことができる。 3。ジップ・ザップ・ゾップ(サークルになって) <ゲーム方法> ・サークルになり、手刀を切りながらボールをまわしていく ・まわし方は、ボールを持っている人がパスしたい人へアイコンタクトをして「ジップ」といって手刀を切る ・パスが回ってきた人は、まわしたい人にアイコンタクトをして「ザップ」といって回す。 ・受け取った人は、「ゾップ」といって回す。 ・「ゾップ」といわれて受け取った人は、再び「ジップ」といって回していく。その繰り返し。 <ゲーム補足>人数が多い場合は何チームかに分かれて行う。 間違えた人は、そのチームから移動し別のチームにいくことができる権利を持つ。 間違えることで違うチームにいくことができるので、間違えることを喜び承認できる環境になる。 ※このゲームを使って日本語を覚える方法に使えないか??とひかるちゃんは考えた。 3。どうも・どうぞ・またね(サークルになって) ゲーム方法は同じ。 (ただ教えるのではなく、どうすれば面白く学んでいけるのかを考える) 4。バニバニ(サークルで) アイスブレイクの一環。このワークは日本で作られたワークの逆輸入バージョンらしい <ゲーム方法>・・・(子ども達は楽しむが企業研修には難しいかもしれない。どんな活用方法があるのか考えてみることがAIの醍醐味。) ・ジップ・ザップ・ゾップと方法は同じ。パスをまわしていくゲーム。 ・パスを回す人はウサギの歯の真似をして「バニバニ」といってまわす ・ボールを持っていない人は、ひたすら「ウーハー」という効果音を出し続ける ・「バニバニ」といわれてボールが回ってきた人は、「「バニバニ」といって受ける。 ・「バニバニ」といわれてボールが回ってきた人の両端にいる人は、「シュッシュッ」という ~アイスブレイク終了後~ ●ワーク(自己紹介) 1。「これって私だけ??」・・・自己開示フルーツバスケットで遊ぶ (イスを並べ座るが開示者のみ座れない) <ゲーム方法> ・見て分かるものではなく、自分の経歴やクセ、趣味、日常など見えない部分を自己開示する。 ・自分しかいないものではなく、きっと参加者にも同じような人がいるだろうなということを意識して出していく。 <例>ヨーグルトには青汁を入れる ・自分もそうだと思えば、イスから立ちあがる。 ・同じように立った人の中でイスの取り合いをし、一人座れなかった人が自己開示をしていく。 ・繰り返していく 2。イエス・アンドと傾聴を学ぶ・・・イエス&イエーイで遊んでみる 「今みんなが言った自己開示覚えていますか??」 事前に言っておくのではなく、ある程度開示されてからこの問いを投げかける。 <ゲーム方法> ・開示された話に対して、○○さんって○○何だよね?と質問する。 ・言われた人は、「そうそうそう」といった後に話をふくらませさらに自己開示していく。 ・話が終わったら、覚えている人のいった自己開示の言葉を言ってボールをまわし繰り返していく。 <このゲームを通してのレクチャー> 1。傾聴という切り口から コーチに対して、きちんと相手の話を聞いていましたか?という問いに繋がる。 2。イエスアンドについて 何でもかんでもイエスだと日常にギャップが出る。 イエスといえない自分自身の感情や行動を受け止めてみる。 受け止めた上で、どうしていくかと選択していく。これがアンドすると言うことである。 ●前回の講座のレビュータイム 1。ナレッジモデル(学びのモデル) D = don't K = know DKDK・・・・知らないということすら知らない KDK・・・ 自分は知らないということを知っている DKK・・・ 知っていることを知らない KK・・・ 知っていることを知っている 教えないと知らないことばかりである。しかし気付きも大切である。 双方向の学びの為には、teach(講義)」と「coach(体験)」のバランスを考えながら 当日の参加者のお土産(学びの目的)がしっかり受け取ってもらえたかを確認する。 <例> ・新入社員に対して、うちの会社には、こういう規則がありますと伝える。 →知らないものは知らないんだから、教えなければいけない。・・・ティーチング ・言葉や知識としては習ったことはないけど、気がつかないまま自分で行っていたとする。 教えなくて良い。思い出させてあげればいい。考えさせてあげればいい。 「こういう時はどうしますか?」「昔、似たようなことしませんでした?」など投げかける。 ・・・コーチングやファシリテーションである 2。ジョハリの窓 ナレッジモデルとジョハリの窓の違いは何かという流れになったので補足してみます。 Josep LuftとHarry Inghamという2人が考案したので「ジョハリの窓」と呼ばれています。 <4つの面の説明> A 自分も他人も知っている面 例えば色白である・・など。 B 他人は知っているけど自分は知らない面 例えば、酔うと同じ話を繰り返す・・など。 C 自分は知っているけど他人は知らない面 例えば人には隠していること。 D 自分も他人も気付いていない面で無意識な領域や抑圧された部分、埋もれている才能など。 人間関係において問題がおきやすい人や、悩みが発生しやすい人は、Bの部分やCの部分の面積が大きいタイプとも言えます。 逆に気楽に生きているように見える人はAの面積が広いタイプが多いようです。 より良く生きるには、Aの面積を大きくしBの面積やCの面積を小さくすれば良いそうです。 <ジョハリ実践編> ・Bの部分をAにもってくるには、まず他人が貴方にものを言いやすい雰囲気を貴方が造ることが大事です。「聞き上手」を心がけるのも良い方法です。・・・傾聴力を養うこと。 ・Cの部分をAにもっていくには、自分の気持ちを率直に話すことが必要です。 何と言ってもできるだけ自分をオープンにすること。・・・自己開示していくこと。 この2つはコミュニケーションに必要な要素でもある。 この二つの窓を広げることを意識することで、たとえば、「自分はわがままな人間だと思っていたけれど、意外と他人に対する温かい思いやりの気持ちをもっている」「自分は気の小さい臆病な性格だと思いこんでいたけれども、けっこう負けん気もあり、芯の強さも持ち合わせていたのだ」と、隠れていた自分に気づいたりします。 このような自己洞察(自己への気づき)が、人間を飛躍的に成長させていく原動力となるのです。 ナレッジモデルとジョハリは全く違うものだけど、ジョハリを見てみると、自分を知ることがとても大事であり、インプロは、自分の知らないこと知るツールであるという説明に使えますね。 ・・・ジョハリの窓の説明とインプロが適している理由を終え、講義の記録に戻ります。・・・ 2。なぜインプロなのか(心理的考察) ◎AINオランダ会議より、人類学とインプロ 人はなぜ進化してきたか? 人と人が繋がるときは、相手を察したり表情を読み取ったりと右脳から繋がっていくそうだ。 ◎インプロは右脳を良く使う。 インプロを通して気付く→自分自身のクセ、思考パターンなどに気付く ◎気付くから振り返り、自分を良く知ることが出来る。 (自分のパターンを知ることが出来る) ◎自分のクセ、人から与えられてどう影響されるか 人のどのような影響を与えているかを知ることが出来る。 ◎パターンを知ったら変えようと意識を向ける。 →いつもはAパターンだから、今回はBパターンにしよう。 ◎自分の癖を知って変えようと思ったら変化してみようと思う。 ◎知覚動考という習慣が大切なのだ。 <まとめ>自分の窓を開くのは怖い。→人になんて思われるか分からないから。 自分のことを知ると変えられる。 インプロは自分の事を知るツールとして効果的である。<関連ワード・ジョハリの窓> 3。なぜインプロなのか(学習的考察) ◎人はいっても気付かない ◎何か気付く為の仕掛けが必要 ◎体験しながら気付く為にインプロが役立つ<関連ワード・ナレッジモデル> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.10.06 00:51:54
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