カトレア原種、C. trianaei coerulea 'Sulla' (C. トリアネー・セルレア ’スラ’)が開花した。3,4年ほど前に入手した小さな小さなオリジナル分け株を大事に育ててようやく開花したもの。もちろんブログには初登場。トリアネーのセルレアは長い間ずっと欲しいと思っていただけに、今回の開花は感激もひとしおだ。
もともとラン科植物には空の色のような青系の原種が皆無に近い。それでもカトレア等に「紫青色」の変種が出現することがあり、「セルレア」と呼ばれて非常に珍重されている。私が高校生だった頃はまだカトレア原種ブームの前で、トリアネーのセルレアは全く幻の花そのもので、写真さえなく、どの業者に尋ねても相手にされないほどに入手困難な代物だった。その後、カトレア原種ブーム到来と共に、どこに雲隠れしていたのか続々とセルレア個体が日本の洋蘭界に登場、しかし、値段は途方もなく高価なものだった。それでも、セルレア個体を用いた実生苗も出回り始め(それでも高価!)、私は大枚はたいて購入したのだが、実際に咲いてみるとセルレアとは程遠いピンクの花だった。やはり本物のセルレアを入手するには、オリジナル分け株を買うしかないのだが、なにせ値段が非常に高い。
と、そんなある日、トリアネー・セルレアの中でも最高峰と言われる'Sulla'の非常に小さな分け株がお手頃価格?(でもやっぱり高い ^^;)で売られているのを発見。その小さな苗を奮発して購入し、このたびめでたく開花となった。
見よ、この端正にバランスの整った花を(^^)。色と言い形と言い、申し分のない個体だ。ただ、今回は分け株の初花ということで、花の大きさはミニカトレアのように小さい。とは言っても、本当に嬉しくてしばしその花に見入って悦に入ってしまった(笑)。なお、この時期はカトレアを貸温室に預けているため、業者が水やりをした時に花に水がかかってしまい、黒い斑点が出来ているのがちと残念ではあるが、ともかく、私が高校生の時からあれほど探し求めていたトリアネーのセルレアが目の前で開花しているのを見るのは本当にワクワクするものだ。もちろん、今後ももっと株を大きく育ててさらに良い花が咲かせられることを期待したい。