which
At the age of fifty, and with a dozen or so books published, it does not seem tautologous to say that I write because I am a writer. To stop writing, not to write, is now unthinkable--or perhaps it is the secret fear to assuage which one goes on writing.薬袋善郎著『学校で教えてくれない英文法』(研究社)の中で、上の英文が取り上げられていた。下線部を訳しなさいというのが、2000年度の慶応大学文学部で出題されたらしい。不定詞のto assuage((不安などを)和らげる)が曲者である。関係節の中の前置詞や名詞が、関係代名詞と一緒に前に出てくることがある。次の文の赤字の部分は、関係代名詞に伴って出てきたものである。I don't like the house in which he lives.(『ジーニアス』)I am looking for a book, the title of which I don't know, of art by Barclay Shaw....不自然になるのを承知で、敢えて分けて書けば、I don't like the house. He lives in it.I am looking for a book of art by Barclay Shaw. I don't know the title of it.となる。これらの文で代名詞itを関係代名詞にして前に出すときに、あわせて前置詞や名詞句も前に出すと上のパターンになる。これと同じことが、不定詞で起こることがあるらしい。慶応の問題はその構文とのこと。また分けて書けば、...it(= to stop writing, not to write) is the secret fear. One goes on writing to assuage it. となる。つまり、to assuage...の部分は、「~するために」という目的を表す不定詞の副詞的用法で、それが関係代名詞と共に前に出ているのが、上の慶応の問題だ。従って、薬袋氏は「それが密かな恐怖になって、その恐怖を静めるために、人は書き続けるのかもしれない。」と訳している。関係詞のこの用法を見たのは今回がはじめてだった。