【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

おばさんが作った死語ブログ。人生いろいろに語ります。

おばさんが作った死語ブログ。人生いろいろに語ります。

Freepage List

November 7, 2002
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
 「屁」である。そうなのだ。
 何を隠そうこのおばさんは、10年連れ添っている配偶者の前で、この「屁」をかましたことがない。何というのか・・・・恥ずかしいのである。
 当然ながら「出物腫れ物所構わず」で不可抗力で立ち上るように出てしまった「屁」は別として(それさえも数えるほどしかない)、わざとかました事もないし、あるいは出そうだなと感じた瞬間には、その、あの、なんだな、ケツのあそこをキュッと占めてジッと我慢してしまうのである。
 では、そんなおばさんの配偶者はどうかというと、これまた失礼千万な「屁」で、朝の挨拶代わりになったり、都合の悪い会話の時のあいまいな返事に摩り替わったりしている。よくもまぁ、ブースカ、ブーブー、ブリブリと音色を変えて出せるもんだと感心したりする。でもまぁ、おばさんが笑って許せるのはあまりなく、ほとんどの場合、露骨に嫌な顔をするか、ぐっと自分を抑え配偶者への憎しみと嫌悪感を一層つのらせたりする。根本的に人前で「放屁」する事は、相手の人格を損ない侮辱に等しいと真面目な顔して訴えるおばさんに対し、配偶者はうざったく、「あのさぁ、出るもんは出るの。我慢してたら体に良くないよ。」と言い、「おならくらい好きに出せるのが『暖かい家庭』というもんだよ。」と付け加える。「屁」で家庭が暖まるなどと誠に臭い家庭である。しかしそれ以上論争すべき題材でもないので、それでおばさん夫婦の「屁」に関する意見交換は終わる。 

 何故か?と思う。どうしてかな?と考える。これほど「屁」をおばさんは嫌がる理由はどこかにあったかな?

 チーママ時代、板長がこんな事を言っていた。
 ・・・わしも随分嫁さんを替えたけど、今の嫁はんのどこが腹立つって、夜おんなじ布団に入って落ち着いた頃、背中向けて寝てた嫁はんが「ブリブリッ」と屁かけるねん。あんな腹立つ事あれへん。足で蹴ってやった。
 恐らく当時、まだ無垢だった若かりし頃のおばさんには「なるほど、そう思ってる人もおるんやな。」と素直に勉強させてもらった。それが案外心にくっついたままなのかもしれない。
 さしあたり思い当たる出来事もないが、とにかくおばさんは「屁」はトイレでするのである。あるいは、ほんとに誰もいない部屋で(例えば今日記を作成しながらプププ~っと)やっている。
 しかし、である。おばさんは我が子の前なら恥ずかしいがやってしまう。「きゃははは・・・おかぁさんがおならした~。」なんて二人揃って笑ってくれると、ついついいい気になって「ほぉら、もういっちょ~どうだ~。」と連発大サービスである。でもその場に配偶者が同席していると絶対しないのである。
 まぁ、結論から言うと血がつながっているか赤の他人かでわけているんだろう。・・・・全く淋しい結論であるが。

 富士山の絶景を見ながら井伏鱒二は放屁なされた。確かそんなくだりを書いた太宰もやはり「屁」について、もしかしたら嫌悪感を・・・持っていたのかどうかはわからないが。
 
 配偶者の前でどうしても我慢できない時、おばさんはどうするか?
 「・・・あ、・・・・おなら・・・出そう。」と、ポツッと言う。
 言いながらやっぱり我慢する。
 すると配偶者は期待したように「出た?」と聞いてくる。
 「ふふふ・・・止まっちゃった・・・」とやっぱり答える。
 配偶者は決まって・・・カワイイナァ、こいつ・・・という表情で少し微笑むのである。
 そんなやりとりは、結婚して10年をやっと過ぎたが、今も変わらない唯一の会話である。
 そうなのだ。女はカワイイ方がいいぞ。ばばぁになっても顔を赤らめる事があるカワイイ女の方が魅力的だぞ。・・・・・おばさんはそんな主張に自己満足しながら、相変わらず「屁」を我慢し続けるのであった。

 





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  November 8, 2002 12:10:16 AM
コメント(4) | コメントを書く


PR

Profile

153

153

Comments

コメントに書き込みはありません。

© Rakuten Group, Inc.