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晴れ渡る空。心地よい風。投票日には最適な天候です。投票には行かれましたか?無投票も多いと聞きましたが、やはり選挙はあったほうが楽しいです。
おばさんは今週、二人の幼児は保育園、昼間空いているのをいい事に選挙事務所に足繁く通いました。そう、おばさんは「ウグイス嬢」を努めさせていただきました。これでもかなり若手のウグイスに入るので、先輩ウグイスの指示に従い、言い回し、言葉、口調など4年前の記憶を呼び起こしながら調整を行うのであります。 田舎なのでさほど上級のレベルは必要ありません。地下(じげ)の人間が多ければ多いほど、名前さえPRすればそれで構わない。親戚筋、近所の付き合い、同級生関係、全てが結びつく候補者が出馬しているのだから、確認するように街宣車が巡って行くだけなのです。 もちろん共産、革新系も居ます。ゆるぎない宗派推薦の候補も居ます。もちろん共存です。みな不思議に票を分け合い当確を決めていきます。 ここで皆さんに街宣車の中から見た街角をご紹介しましょう。おばさんの地域は田舎なのでご覧の皆さんにはあてはまらない事例もあるでしょうが、話のねたにおひとつどうぞ。 1.毎日毎日名前を連呼するだけの街宣車、誠にうるさいですよね。あなたが家の中で洗濯物をたたんでいるとしましょう。そんな人の聴覚へいかに有効に候補者をねじこむか?を考えるとやはり候補者の名前を連呼する方法しかないのです。すみません。 ウグイスは街宣車の運転手と息がピッタリあっていないといけません。街宣車の速度にあわせ話すのです。住宅街をゆっくり走る街宣車、それを早口でしゃべってはいけません。街宣車に合わせ、ゆとりがあれば候補者のキャッチフレーズをしゃべります。声のトーンも考えます。住宅街はかなり響きます。一戸建て住宅地かマンション・アパートなどの状況で声の響き渡る度合いもかなり違います。それも考慮しながらしゃべるのです。 2.街宣車が家の近くに来たとしましょう。あなたは家の中に居る。当然ながら外からは見えません。見えないようにそっと街宣車を覗いて見てください。その街宣車から運動員はあなたの家に向って手を振っていますか? 例えば雨が降っていたとしましょう。雨天なら戸外に出ている人も居ません。でも、運動員たるもの必ず手を振っていなければいけません。雨でも晴れでも、戸外に人が居なくても、住宅街を街宣するならば、運動員は必ず一戸一戸の「家」に向って手を振らなければいけません。運動員からは見えなくても家の中からそっと覗いている家人は必ずいるのです。覗いていなくても、ぼんやり戸外を眺めていて、その視界の目の前を街宣車が通過する事はままあるでしょう。家人と目が合ってから手を振っていては遅いのです。運動員は「家」に向って手を振ります。雨だから、外に人が出ていないからという勝手な判断から、「白手袋の手」が出ていない候補者の陣営に「やる気」は伺えません。 3.選挙活動の数日間をウグイスは交代しながら街宣車に乗ります。もちろん下手も上手もあるでしょう。これこそ経験の賜物ですからこれも当然です。故郷訛りのない、変に洗練されたウグイスは派遣された「雇われウグイス」です。これも運動員の関係上仕方ありませんが、運動員が多ければ多いほどウグイス候補も多く、その分陣営に活気があります。鶯の羽を被った鳩、とでも言いましょうか。耳障りは良いでしょうが、あくまで事務的にしか聞こえないのは、地元の候補者は地元の人間が応援する、という意識が根強い程裏目に出るでしょう。 3.さて、毎日毎日連日連夜連呼される名前もいやというほど聴覚を刺激されたとしましょう。明日はいよいよ投票日だという日の午後からその街宣車のウグイスに何か変化はないでしょうか?相変わらず初日と同じ文句、口調でただ義務的に切羽詰った感じで連呼しているだけではやっぱりウンザリです。選挙活動が終盤に近付けば近付くほどウグイスの話す内容、口調は変わらなくてはいけません。…どう変わるって?それはその陣営の作戦なので、こうなのだ!と正解はありませんが…おばさんの陣営の場合は… 候補者の家族がこぞって街宣車に乗ります。そして、連日お騒がせしたお詫び、そして運動員として協力していただいたお礼、そして投票のお願いをします。奥さんが娘が婿が弟がゆっくり、ゆっくりと走って行く街宣車の中で、噛み締めるようにウグイスになります。中には感極まり涙声になる時もあります。「ふん、演技なんかしちゃって」と思う有権者もいることでしょう。「鬱陶しい」と思う有権者も多い事でしょう。…まぁ、いいじゃないですか。そんな「ウグイス」の変化も聞き逃しては面白くありません。 何にせよ、人生は一度きりです。選挙も有権者たるもの「行って当然」なのです。同じ選挙ならみんなと楽しみたいおばさんであります。 しかしながらやがておばさんの小さな田舎は大きな市に合併されていきます。着々と話は進んでいるようです。4年後の選挙にはおそらくおばさんの地域ではもう候補者は出馬できないでしょう。「できない」という表現も変ですが、こんな「トウシロウグイス」が出る幕はありません。それこそ洗練された訛りのない若いウグイスがもてはやされるのでありましょう。 そんな名残惜しさを感じながら今日の投票日を迎えたおばさんであります。 さぁみなさん、投票に出掛けましょう。「行っても行かなくても同じ」選挙なんて政治なんてないのですよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 27, 2003 03:14:41 PM
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