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寒いのである。寒い、寒くてかなわん。
おばさんは入浴中に何気なく浴室入り口の木の柱に目をやり驚いた。いやいや、順番から言うと、柱に目をやり、なんとなくその黒っぽさを不審に思い、風呂桶(桶…では古過ぎかな?)から飛び出して、眼鏡をわざわざ掛け、よくよく柱を見て驚愕した。爪の先で柱を押してみて、声を上げた…「うわぁ~、やられた~」 シロアリである。 柱の表面が皮一枚で、その皮の向こうは空洞になっている。全体の面積から判断しても、たいした範囲ではないが、おばさんの想像では既におばさんの家全体がシロアリの餌食になっている。シッポが矢印になった、(つまり、→、こんな感じ)、憎たらしい顔つきの白装束集団がおばさんの家にはびこっている。 恥ずかしいかなおばさんは、入浴中であることも忘れて、その格好のままでこの柱を今以上に観察し始める。 柱に、シロアリが運んできたと思われる微量の土が筋状にくっ付いている。爪で押せば押した分だけ、柱がいとも簡単に、破れる。 その中を目を凝らして覗くと…白い蠢きが…うじゃうじゃと…は、なかったけど、おばさんの想像スクリーンに這い回っているのだ。 おばさんのその観察姿勢ときたら、頭を床にすりつける程低く、その分、デカイおけつは天井方向を向いている四つん這い状態。ひじ・膝は曲げて床に付けている為、だんだん冷たく寒くなって来た。…え?なんでかって?だから初めに言ったでしょ。おばさん入浴中の出来事だったの。つまり、すっぽんぽん、な~の。 …ここまでの文章を読んで、敏感反応する男性諸君よ!ありがとう。諸君は若いぞ!ダハハハハハ…。 残念ながらおばさんは既に、賞味期限切れ、品質期限切れ、もひとつおまけに使用期限切れ、である事をお断りしておこう。 ま、そんな事言ってる場合じゃないのだ。そう、シロアリ。 今更困っても仕方ない、とは思いつつ、やはり困惑する。 よくまぁ、ここまで知らずにほかっておきましたねぇ…、と駆除業者の声が聞こえるような気がする。一応おばさんも体裁というものを気にしたりする、のだが、やはりどう考えても今どうにもならない。業者に相談するしかない。 すっぽんぽんのおばさんは浴室入り口の脱衣スペースで腕組みして悩み続ける。せめて湯船につかって考えれば暖かいのに…。しかしながら、湯船の中で誰も「シロアリ」の事考えたくないよね。湯船に浮かんできそう…。 その時、勢い良く脱衣所の扉が開く。 配偶者がおばさんの仁王立ち腕組み状態の姿を目の当たりにして一言…「オマエ、何やっとるんだぁ~…?」 おばさんは、この家に起こったとんでもない異常を配偶者に訴える。 ここがね、ほらほら、ね、ね、すごいでしょ、ね、ね、も~た~いへん! 一息おいて配偶者はポツリと答える。 「話はわかったけど、その格好、なんとかならないの?」 この危機状態において、何を冷静に他人の格好を指摘しておるのだ!と誠に不満に思いながらも、おばさんは変に納得するのであった。 皆様、特にこの時期、風邪などひかれませんように。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 24, 2003 12:55:31 AM
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