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おばさんが作った死語ブログ。人生いろいろに語ります。

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June 9, 2004
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カテゴリ:カテゴリ未分類
 毎回聞くたびにうんざりする、『あの会社』の「リコール隠し」であるけれど、実はこのおばさんも、当事者とは言えないがその事実は随分前から知っていた。
 「知っていた」という表現はビミョ~に真意とは違うけれど、おばさんの経験はこのようなものである。

 当時、私は『あの会社』製の車に乗っていた。その頃はとんでもない安値で車を売り出している時代で、その営業マンでさえ、「いいんでしょうかねぇ…こんなに安くて…」と呟くほどで、それでもまぁ売れればいいと言うことで、おばさんはその安い車のオーナーになった。
 購入時期が調度今頃…梅雨時だったであろうか、買ったばかりの新車に容赦なくどしゃぶりの雨が車体を叩く。それでも快晴気分の能天気なオーナーは快適に運転中であった。車内の湿気を追い払おうと運転席の窓を少し、ほんのちょっと開けた途端、雨が勢い良く入り込む。…これがアタリマエだと思ってはいけません。イマドキ、窓には半透明のバイザーが窓に付いているはずなので、少し窓を開けただけでは入ってくるわけないのです。それが、雨が滝のように流れ込んでくる。バイザーが付いているのに。
 冷たい雨に右肩を濡らしながら、冷静になった私はよくよくその状況を見詰めて観察してみる。もちろん、車は停車状態です。
 すると、バイザーと取り付けられたドアの隙間から車体の屋根から流れ落ちた雨が漏れて、開けたガラス窓から入り込んでいるのです。
 そんな状況が把握できれば即電話です。「ユーザークレーム」という単語が、脳裏に大きなネオンサインとなって点滅しています。この「ユーザークレーム」という単語が浮かぶのも、自動車部品関係に勤務しているお陰、というか、職業意識というか、車に携わる者の使命感というか、そうゆうものです。フツーの女性なら、まずもって、彼氏に「え~やだ~どうしてぇ~?アタシ、濡れちゃったわ~ぁ」などと、意味不明な、得てして、彼氏の鼻息を荒くさせんばかりの誤解を招く発言をしていたと思われます。
 電話口の営業マンは第一声、「あ~わかってる、わかってる。今日、雨降ったからね、電話が鳴りっぱなしで。すぐ行くから。そうそう、うんうん。明日ね。」などと軽い返事です。なんだ、他にも同じクレーム入ってるんか…と、正義感に燃えた「ユーザークレーム」通報はあえなく片付けられてしまうのであります。

 そして、私は思いました。「やっぱ、『あの会社』だもんな…」。

 『あの会社』の車の部品の品質責任は当時、
 1.そのラインの人で判断する、
 2.何かあったらビール券で片付ける…という俗説がありました。
 普通、夜中でも日中でも「不良」という業界用語に、自動車部品製造会社は殺気立ちます。業界用語で言うともうひとつ、「品不連」というのもあります。これは「不良」が3つ続いた場合を指します。
 自分の会社で作り、納めた部品が得意先で「不良品だ」という連絡が入る、これは信用問題になりますから。こんな事は当たり前ですね。しかし、私のようなオチャラケタOLでも、周りの大の男たちの『あの会社』への一種異様な対応に不審を抱かざるを得ませんでした。
    「え~!アイツから連絡?しつこいもんなぁ~」
    「じゃ、何枚くらい?」
    「いつもより多めに持っていこうか」
    「わかりました」
    「まいるなぁ、まったく、忘年会シーズンだからかな。」
 「不良」連絡の第一報が入っていたにも関わらず、次の朝には不良実績報告の黒板には書かれていません。
 おちゃらけたOLでさえ、「へぇ~、世の中、こんなもんなのかな…」などと悟ったように納得してしまいます。

 ここまで書いていて、ふと不安になりました。こんな日記の内容も例えば「中傷」にあたるのであれば、当然、楽天管理者から指摘があり、削除されるのかな…と。久しぶりに書いて、削除では悲しいですが、少なくとも「貴方」が読んで下されば、おばさんは光栄です。

 ある日のアフターファイブに、私は当時の彼氏と食事の約束をしました。
 いそいそと彼の車に乗ると、彼が開口一番、「まずいんだ、今日は。ホントはこんな事してる場合じゃない。」そう言われて困るのは私。
 彼は続けました。
 「ウチの部品が原因で事故があったらしい。みんな不安がってる。これからどうなるのか、こんな事、初めてだから。」…かなりの実績と経験を積んでいるはずの彼がこんな発言をすることに私は事の重大さを鑑みるのでした。それは単に恋人への思いやりではなく、同じ職業に就く、「車」作りに携わる人間として。
 その後、彼との間柄は、その事故の「品質責任」の結末を尋ねる間もなく、車の排気ガスみたいにウザったくなり消えてなくなってしまいましたけど。
 …そう、『あの会社』にしてみれば、ユーザーからの「クレーム」も車の排気ガス程度の事にしか思っていなかったのでしょう。日本の一番いけない体質です。
 …相手で判断する。物でものを言う。

 車、と一言に言っても、『あの会社』が車を製造しているわけではありません。『あの会社』は車を組み立てているのです。『あの会社』だけではありません。怪物T社も、ゴーンと鳴り響くN社だって、小さな町の小さな町工場の親父が、裸一貫で立ち上げた自慢の会社で製造する、ほんの小さな部品から車の製造は始まっています。その小さな部品を使って、少し大きな部品が出来上がる。そして、その少し大きな部品と、他の部品を合体させて車の内装品やエンジン部品のある部分が出来上がる…といった具合に、たくさんの人や材料や機械が関わって、「車」が出来上がるんですね。
 ですから、最終的な完成品の「車」の品質責任は『あの会社』にあるのは当然ですが、ある一部品の品質責任はやはり、その部品を作った無名の、あるいはその分野では専門の、部品会社に所在するのです。
 そんな「不具合」「不良品」が製造時、あるいは組み付け時にわかれば良かったのです。その為に、製造部門とは別に、品質部門が必ず製造会社にはあるのですから。
 これらを「隠した」という問題でみる事と、そんな「車」を作った経緯、作らせた経緯、という問題でみる事とはかなり違ってくるように思います。
 「物作り」を誇る日本の将来の影なのでしょうか。
 これら一連の関係車両を作った「製造・組み付け関係者」はもしかしたら、もう既に定年退職して年金生活を過ごしていらっしゃるかもしれません。「隠した」という事実は、そんな「製造・組み付け関係者」に事情を聞いたほうが事実が鮮明になるように思います。
 トップが頭を下げている記事は、最近いろいろな分野でめっきり見慣れてしまいましたから。


 今日はなんだかマジに書いております、このおばさん。
 ではまたお会いしましょう。 
 
 





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Last updated  June 10, 2004 12:58:00 AM
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