テーマ:社交ダンス(8678)
カテゴリ:音楽のはなし
<君が代>
試合の日は朝から雨が降っていました。 富士山のすぐそばに来てるのに、全然見えないくらい雲が低く垂れ込めています。 8時にホテルで提供された無料の朝食を食べて、カップルごとに適宜会場に向けて出発しました。 団体戦のセレモニー開始が11時過ぎだったので、それに間に合うように行って現地集合です。 私たちは10時ごろチェックアウトして会場に向かいました。 10分ほどで着く距離なんですが、ナビが高架を使わせたいらしく反対方向に誘導するのでちょっと時間をロスしたのと、小瀬スポーツ公園が久しぶりで入り口が分からずぐるぐる回ったせいで30分くらいかかってしまいました。 これをセレンディピティ(Serendipity)と呼ぶのかは分かりませんが、モタモタしたせいである出会いがあったんです。 雨は上がっていました。 キャリーバッグをコロコロ引っ張りながら入り口に向かって歩いていると、タキシードに身を包んだ男性が同じ方向に向かって歩いてくるのが見えました。 人見知りな私と正反対で大将はとても社交的、誰にでもニコニコ話しかけるんですよ。 言葉通じなくてもです。 タキシード着てるからきっと大会関係者なんだろうなとは思ったんですが、私は荷物も重かったので先に入り口に急ぎました。 後で大将に聞いたら、その人はダンスの先生じゃなくて『君が代』歌いにきた歌手だと言います。 県別戦の時って、君が代歌うんだっけ? そのくらい記憶に薄いイベントだったんです。 『本岩さんて言うんだって。茨城にも歌いに来たことあるらしいよ。』 県別戦のセレモニーが始まり、大会役員やマダム・ローのご挨拶などが続いて、そろそろ足が疲れてきたなあと思った頃、その君が代イベントがありました。 山梨県にゆかりのある声楽家とのこと。 アカペラで始まった君が代、体育館を震わせる素晴らしいバリトンでした。 なんか、すごい人なのかも。日の丸が神々しくさえ見えてきました。 試合の間もずっと貴賓席で観覧されていて、大将は踊りながら『昔からの友達』みたいに絶大アピールしてました。朝、ちょこっと話しただけなのにね。 後で調べてみたら、本岩孝之さんは熊本県八代市出身の声楽家で、日本では数少ないカウンターテナー歌手でありながら、バス、バリトン、テノールまでの声域を誇る方だそうです。 そんなすごい人がなんで東日本県別なんていうローカルな試合に来てくれたのか、山梨の先生方のご尽力なのかマダム・ロー繋がりなのか、その辺は分かりません。 でも素敵な出会いでした。 カウンターテナーも生で聞いてみたかったですね。 (つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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