カテゴリ:アート
走泥社は戦後すぐに生まれた前衛陶芸家のグループです。 器などの実用品ではなく、オブジェとしての立体の陶芸 作品を製作したグループです。名前だけは知っていたの ですが、まとまった作品を見たことがなかったのでいい 機会となりました。 特に見たかったのは八木一夫の「ザムザ氏の散歩」です。 前衛陶芸といえば、いつも引き合いに出されるこの作品。 カフカの「変身」からインスパイアされた作品です。 とにかく、よくこれで立っているなぁというのが初めて 見た際の印象。ころころと転がりながら散歩するへんて こな虫を連想します。 初期の頃の八木一夫はまだこんなにかわいい器を作って いました。「春の海」という器です。蕪村の「春の海 ひねもす のたりのたりかな」を連想しました。フグが 海中をゆっくり泳いでいるさまを思い起こします。とて もかわいい作品です。 こちらの「二口壺」はミロかピカソの作った器に似て います。これもいい味わいでした。 八木一夫以外でも気に入った作品がありました。川上力 三の「面相」という作品です。海辺のフナムシに見えま した。じっと見ていると動き出しそうな気がします。 「かたりべ」と題されたこちらも、山の中で妖怪にじっ と見つめられているような気になりました。 森里忠男の作品には笑えました。楽しくてたまりません。 陶器でもこんなに楽しめるんだと実感した展覧会でした。 (6/8)
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最終更新日
2024年06月18日 16時43分02秒
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