靖国参拝問題~私の思いは
郵政民営化法案の審議に隠れて、小泉首相の靖国参拝問題は不気味な静けさの中にいる。しかし8月15日の終戦記念日で旧盆に向けて、また政界、中国・韓国など海外も巻き込んでマスコミやを騒がすことは間違いない。当の靖国神社では、今週後半から本日まで「みたままつり」が開催され、多くの老若男女で溢れている。参道には沢山のお店が出て、盆踊りも大盛況である。誰が何と言おうが、マスコミが騒ごうが、そんなことに関わりなく靖国神社には人が集まる。実は、私にとって靖国神社は多くの思い出が詰まっている場所なのだ。といっても近しい家族や親戚が祭られているというわけではなく、子供の頃からの遊び場であり、中学への通学路であったからだ。初詣、桜祭り、春の例大祭、みたままつり、終戦記念日・旧盆、奉納相撲、秋の例大祭、菊祭り、銀杏拾いと一年を通じてお祭りやイベントの多い神社であり、近所の子供達にとっては非常に近しい神社だったのだ。小学校の級友には靖国神社の神職の子供もいた。そして子供心にも、氏神の山王日枝神社や明治神宮などとは異なる、特殊な神社であることを理解していた。 子供の頃、靖国神社本殿に向かって右手奥にある遊就館という記念館を見学したことがあった。もう四十年近くも前のことなので、印象に残っていることは僅かだが、穴があいてひしゃげたヘルメットや血糊のついた軍服、特攻隊の若い兵士が書き残した遺書など、戦争の悲惨さが伝わるものが多かったように思う。子供ながらに非常に重いものを感じて、二度と行くことはなかった。靖国神社が戦争を美化している、侵略戦争を肯定しているなどという屁理屈を真実と感じるようなことは無かったのである。当時も靖国神社の国家護持法案が話題になるなど、右翼の街宣車の大騒ぎもあったが、おおむね平和な時代であったようだ。中国や韓国が何を言おうが、マスコミ・政治家・宗教関係者が何を言おうが、宗教としてはともかく習俗として、フツーの老若男女、多くの人々の間に靖国神社は生きているのである。勿論、フツーの人々、善男善女が参拝をすることに戦争の美化や侵略戦争の肯定を意義づけようなどと者はいない。英霊達には気の毒だが、交通安全や厄除け、家内安全・商売繁盛、果ては恋愛成就までお願いしているのである。英霊達の大方の意見では、豊かで平和ボケの現状はむしろ好ましい、二度と戦争は起こせないだろうというものであるとか。そこに政治家が集団参拝をしたり、来なくてもいい日本国の首相や閣僚が参拝したり、国益を無視し、2,466,532柱の英霊を利用した遺族会への人気取りを繰り返すお陰で、すっかり国際問題化してしまった。A級戦犯合祀などの問題でも、首相の公式参拝で騒がれるまでは、中国や韓国も外交問題にはしていなかったのである。安らかに眠る英霊の思いを冒涜しているとしか言えないのではないか。多くの兵士を死地に追い込み、他国の人々を悲惨の渦に巻き込み、本土の民間人老若男女まで亡国の淵に堕とした戦争を美化するということが、許されていいはずがない。だいたいマスコミも政治家も、悲惨な戦争を煽って国民を死へと駆り立てた張本人の末裔であるにもかかわらず、何の反省も自己批判もできていない。。。。ただ、ひとつ心配なのは、新築された遊就館に零戦の復元機などが展示され、子供達がカッコイイ!などと言っていたことである。新しい遊就館は、戦争の悲惨さを伝えるより、英霊を美化することで侵略戦争すら欧米列強からアジアを開放する聖戦であるというような方向にコンセプトが変わっているのではないか?とも心配される。靖国神社の将来のためにそうでないことを願いたい。靖国神社ホームページ靖国神社の英霊達が安らかでありますように!合掌 観学院称徳