『しばらくは休むのもいいんじゃない。大丈夫さ。』
導かれるように私は、今仕事もせずにずっと自由な生活を送っている。家でゆっくり読書をして過ごしたり、カフェや美術館へ行ったり、ふらりと地元をお散歩したり、それなりに充実しているつもりだ。だが、心の隅っこでは、この生活を続けていていいのだろうか、とふと頭を過ぎることも正直ある。この間、そんなことを考えながら喫茶店にじっと座っていた。すると、『しばらくは休むのもいんじゃない。大丈夫さ。…。』と、レコードからまるで私に語りかけるように、女性の低い声ではっきりと発音された歌詞が耳に飛び込んできた。私の頭に残った言葉はたったそれだけだったが、後日まで妙にぐるぐるとリピートされ、勇気が沸いた。そうだ、今は休息の時間だった。「その時」が来た時にちゃんとそれに気付けるよう、「その時」が来るまでしっかり胸に刻んでおこうと思う。色っぽい。