ただ、聞いてほしかった
小鳥と 蝶々私は、幼い頃から自分の意見を言えない子どもだった。作文だって書けない。それは大人になってもからも続き、楽しいという感情さえも完全に一人で消化していたように思う。悩みは悶々と一人で抱え続け、ついに我慢しきれなくなりお風呂で泣く。そもそも私の家族は、嬉し涙であってもお互いの涙を見せ合うということがない。怒りの感情は生まれるものの、それは結局自分が悪いからだと、知らない内に勝手に転換されていく。ごく稀に物に当たったりしたこともあるが、誰かに怒りをぶつけたり、けんかしたりすることは皆無だった。それでもそれなりに経験を積み、いろいろな感情や想いなどを文章では表現できるに至った。そして今、パートナーには少しずつ時間をかけ、自分のあらゆる感情を口で表現できるようになっている。楽しいことはもちろん、時に泣いたり怒ったり、その方法は下手ながらも、徐々に感情を表に出すことができてきた。そういうことって必要だな、とつくづく思う。些細なことでも、口に出して自分の想いを表現するだけで心が軽くなり、鎖から解き放たれた気持ちになる。パートナー曰く、以前は何を言っていたかよくわからなかったそうだが、それでも辛抱強く聞いてくれた。私は、ただ、聞いてほしかったのだ。私の荷を半分担いでくれたパートナーの存在に感謝する。☆ちゃん、はがきと切手は○県○市の郵便局に行ったら買えるよ!