野花を みならって
野花を みならって元気になると、さっさと歩けるようになると、私は忘れてしまう。あの、発病した時の足の不自由さ。そして、感謝の気持ちと謙虚さとを。人は、ずっと過去を引きずり、抱え込んだままでは生きてはいけない。それをバネに、人は知らず知らずの間に大きく成長する。「忘れる」という行いは、ある意味、素晴らしい人間の特性であると思う。ただ、だんだんと邪で邪悪な気持ちがはびこったり、横柄になることだけには、重々気をつけたいものである。私は、あらゆるすべてのものやことに支えられ、生き、今という瞬間を迎えることができている。どんな時も謙虚でありたい。どんな時も感謝の気持ちを込めていたい。来月で、多発性硬化症(MS)を発病して7年を迎えるにあたって、改めて、我が心を振り返る時間を持ちたい。