七十七回までも人を許すのが人間の義務だ
七十七回までも人を許すのが人間の義務だ「現在がこれほど確かであるのに、未来があれほど輝かしいのに、くどくどと過去に思いふける必要がどこにあろう?」「去れというさびしい一語の中に、私の切ない義務がふくまれていた」「私たちは、苦しむために、忍従のために生まれてきたのです ー あなたも私も、同じように」「私は月の出るのを見まもっていた ー 何か運命の言葉が、そのまるい表面に書いてあるかのような不思議な期待をもって見まもっていた」「皆さんは間違っていらっしゃる。わたくしの方が正しいですわ。わたくしは未来を見ているのに、皆さんは過去だけしか見ていらっしゃらないんです」「彼はこんな当世流の新しがりや自由などは一切是認しなかった。これを公式化して言えば、立派な女性とは、弱くて内気で優しいもの。立派な男性とは、礼儀正しく、但し一歩退(さが)って任侠(にんきょう)の念を持って女性を遇すべきもの」「過去へも未来へも思いを馳せてはならなかった。前者は天国のようにたのしく ー また死ぬほど悲しい一貢であり、その一行を読んでも、それは私の勇気をくじき、元気をなくすることだった。後者は、おそろしい空白であった ー 大洪水の過ぎ去ったあとの世界に似ていた」「表情は明るく、腸内は軽く。あとはきちんと風呂に入って日々の清潔さえ保てば、人は健康になるんだよ」「人類をよりよくすることのできる職務は、決して品位をおとすものではない」「すり傷は、時がたたねば癒えはしないのです」「起ち上がれ、そして、ありったけの力をふるい起こし、翼をひろげて視界の彼方の飛べ」「愚痴をこぼしたりするために、立ちどまることはよそう」「幸運というものは、不思議にも、その手を心と同じようにひらくものである」「さきのことはすべて過ぎ去ったがゆえに、そこには死もなく、悲しみも歎きもなく、いかなる苦しみもない」「臆するもの、信ぜざるもの…は、火と硫黄の燃ゆる池にて、その報いを受くべし、これ第二の死なり」「神さまは、投げすてるために私に生命をお授けになったのではございません」