人間は一つの戯曲(ドラマ)である
人間は一つの戯曲(ドラマ)である「わるい行為は、ただわるい行為への道をならすだけだが、わるい想念は、いやおうなしに人をその道へ引きこんで行く」「何もかもがはっきりしていた。世間で重要なもの、りっぱなものと考えられていることがすべて、じつはつまらないことか、あるいは、いとわしいものであることも、また、こうしたいろんな光輝やぜいたくも、そのかげには、昔ながらの、人がなれっこになってしまっている、ただに罰せられないばかりか、人間の力で考えうるかぎりのさまざまな美で飾られ、いろどられている諸悪の罪悪をひそめていることも、はっきりしていた」「彼が彼女を愛するのは、自分のためでなく、彼女のためであり、神のためであった」「それは小さな偽りであった、が、それがしだいに彼を、現在彼が沈湎(ちんめん)しているような大きな偽りへ、誘いこんでしまった」「痛いところというものは、どういう場合にも、わざとそこへさわられるような気のするものであるが、それはただ、痛いところへさわられた場合には、とくにそれを感ずるからにすぎないのである」「そこには話すべきことがたくさんあったけれども、言葉はなんにも語らなくて、ただまなざしだけが、言うべきことをいっていないと語るのだった」「秩序というものは人を殺してもいいものかな?」「できることはなんでもします。何をしていいかはわかりませんが、何かしなければならぬことだけは感じています。ですから、自分にできることはなんでもやるつもりです」「彼らは、植物にたいするこの石のようなもので、憐憫などにはおよそ免疫性になっている」「場所は窮屈でも、ひとは仲よく、でさ」「からだに長年蓄積された毒を出していくのは一朝一夕ではいかないの」「いまの生活の不自然さに一日も早く気づき、自分の子どものことだけを考えるのではなく、子ども自身が「将来もつ子どもを病気にしない暮らし方」をできるように育ててやってほしい」「すべての人は、一部は自分自身の思想により、一部は他人の思想によって、生きかつ行動しているものである」