「猫とは何ぞや」
「猫とは何ぞや」のらねこちゃんがたくさんいる「のらねこちゃんスポット」があった。ありとあらゆる色と模様のねこちゃんがいて、多い時では10匹以上に遭遇した。近所のケーキ屋さんや、犬を散歩をしているおじいちゃんなど、いろいろな人がごはんを与えているようだった。だから、ねこちゃんたちは人懐っこく、それがとてもかわいくて、私は度々写真を撮りに出かけた。30分ほど一緒に遊ぶ。おねえさんのカフェへ向かう途中の道だったという理由も大きい。だが、「エサをあげないで」と書かれた張り紙をあちこちで見かけるようになった。私が写真を撮っていると、嫌な顔で通り過ぎる人もいた。年々、ねこちゃんの数は減っていった。そして、1匹もいなくなった。先日通りかかったら、工事予告の看板が出ていた。何やら道路をきれいにするらしい。私はこの場所でねこちゃんに魅せられた。「猫とは何ぞや」ということを知った。本当にかわいく、将来はねこちゃんを飼おうと思うようになったのも、この場所からだった。今では、風雨に晒された水飲み用のまぁるいボウルが虚しい。ねこちゃんたちはどこへ行ったのだろう。みんな元気で暮らしてますように。お腹いっぱいごはんを食べてますように。また会えるといいな。