実りあった
手当たり次第、ではないが、毎日映画を観て過ごしている。小説同様私は昔のものに魅力を感じる故、モノクロ映画を好んで観ている。現代の映画も観ない訳ではないが、気が付いたら結局昔の映画に戻って来る。これは小説もまったく同じで、やっぱり古典が一番おもしろい。因みにホラーとSFは観ないのだが、そう言えばラブストーリーも観ない。どうも白けてしまって、全然その世界に浸ることができないから。ところで、小説にも映画にも少なからず駄作というものがある。笑っちゃうぐらいひどいものも正直ある。が、内容はさておき、どんなくだらない作品でも良いところが必ずあるということをここ数年で学んだ気がする。例えば、小説なら、ここの言葉の言い回しが粋だとか、わからない単語があったからそれを調べて勉強できたとか。映画なら、音楽のそこのフレーズが艶めかしいとか、光と影のアングルが良いとか、風光明媚な田園風景に癒されたとか、パッカパッカという馬の蹄の音が心地いいとか。わざわざ無理して良いところを探すという感覚ではないのだが、ふっと琴線に触れる何かは必ずどこかにあって、あ、私はその為にこの小説を読んだのだな、もしくはこの映画を観たのだな、って結論でいつも意外と気分良く締め括っている。