結局ここで望みはひとつも見つからなかった
「私は苦悩が人を気高くなどしないことをはっきり知った。苦悩は人を我儘にし、卑劣にし、ケチにし、疑い深くする。些細なことに拘(こだわ)るようにさせる。苦悩は人を本来の性質より良くはしない。悪くさせるのだ」「自分の本務は生きることだ」「我々は誰しも、一人の例外もなく、最初は自分の心の孤独の中で生きることから始め、それから与えられた材料と他者との交流を活用して、自分の必要に似合った外界を作る」「金銭は第六感のようなもので、それがないと他の五感も働かないのだ」「『私が人間をどう考えるか、簡潔に言ってみますかな。そう、人間というのは、心はまっとうなんだが、頭となると完全に役立たずですな』」「人は、自分が最も身近に知っている人のことも実はほとんど分かっていない」「私はまだ人気のあるうちに消えようと思った」