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カテゴリ:ペット
昨日フジTVでやっていた、軌跡の動物園~旭山動物園~を見て、なんだか本当に感動しました。
私も以前、規模は扱う動物自体も小さく、ゾウとかはいないくて本当に小さいですが、そんな小さな動物園の飼育係をしていたことがありましたから、なんか共感できる部分があり、胸の詰まる想いでした。 当時私が世話をしていたのは、犬猫をはじめ、動物園で傷ついた動物達を主に介護や簡単な治療を行っていました。 そのなかに、ワラビーがいました。 <カンガルー科でカンガルーより小さい> 私が飼育係を始めたときにはもうそのワラビーは寝たきりでした。 理由は、悪環境で人前にさらされすぎたことによるストレスで、神経が参ってしまい下半身不随になってしまったということでした。 そのワラビー、本当は歩けなくなってしまった時点で商品価値がないということで、殺される運命だったのを、私の当時の上司であった人が、それはできないと上層部に掛け合い、ワラビーだけではなく、ほかの動物たちも含め、そういった傷ついた動物たちの世話をすることになったんです。 藁とペットシーツを敷いた小さな檻の中で、動けないワラビーの足の関節には、褥瘡(じょくそう=床擦れ)のひどいのができており、もう足の付け根の関節は骨が見えそうな状態でした。 人に対する恐怖心を持ったワラビーは、最初私が世話をしだしたときは声にならないかすれた声でなにやら叫んでいました。 あげたえさにも手をつけず、えさを入れたカップをひっくり返してしまいました。 日課として一日数時間置きに藁とペットシーツを交換し、ワラビーの褥瘡に止血剤のパウダーをふりかけ、最後に餌と水を与えるという流れが、ワラビーの管理でした。 ワラビーのストレスを減らすためには、手早い掃除が一番大切なんだと教えられ、皮手袋をしながらの作業は、最初とても苦労しました。 噛み付かれるという恐怖心もありましたしね。 それに最初の頃は私を世話係とは認めず、暴れるし餌はまき散らかすし大変でした。 でも、今期よく世話をしていくうちに、3日目くらいでしたでしょうか、餌をあげたあと、しばらく私のことをジっと見て、餌を食べてくれたときは感動でした。 止血剤パウダーを振り掛けるときも暴れていたのに、暴れなくなったんです。 まだおびえた感じは多少ありますが、それでも以前よりは落ち着いてきました。 それからしばらく時がたったある日、私が二日休みをもらった時でした。 朝、上司が私に言いました。 上司「ワラビー・・・昨日死んじゃったんだよ。」 エ「・・・え!?どうしてですか!?」 上司「もともと褥瘡がひどくなっていて弱ってきていたのはあるけど、おまえ以外のやつが世話したのが気に入らなかったみたいで、休みの次の日から餌食べなくてな・・・。」 私は涙が止まりませんでした。 ごめんね、ごめんねって心の中で言い続けました。 私はショックで泣いてしまいました。 休みなんて取らないで世話をしてあげればよかった。 私が休んだとしても誰かが世話をしても嫌がらないようになにか対策をとっておけばよかった。 後悔しても亡くなった命はもう元にはもどらないんですよね・・・。 昨日のフジTVのドラマ「奇跡の動物園~朝日山動物園物語~」の中で、ゴリラをはじめとする何頭かの動物が「エキノコクス」という寄生虫で死んでしまうという事件がありました。 そのときにゴリラの世話役だった人(ドラマでは伊藤四郎がやっていた役)が、「これは俺が一生背負っていくことだ」と言っていた部分では、涙が止まりませんでした。 知らなかったとはいえ、その病気に気づいて上げられなかったこと、助けられなかったこと・・・。 やはり世話をしていたものにとっては、忘れてはいけないことなんだなって思います。 命っていうのは、気高くて本当に崇高なものなんですよね。 そのことを忘れてはいけないなと改めて反省させられました。 飼育係の時のことは、まだまだ色々あったのですが、今日はこの辺で~ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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