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子離れ親離れへの道

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プチオニオン0811

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2006.05.14
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カテゴリ:日常
悲しい話です。読みたくない人は読まないでね。

手術室までは、自分の足で歩いて入りました。
手術台にも自分であがりました。
横になると、すぐに手術が始まりました。
恐怖と不安で顔が強張っていたのか、先生が
「大丈夫? すぐに終わるからね」
と声を掛けてくれました。

点滴の管から、麻酔薬が三種類、一つずつ看護婦さんが読み上げながら投与されました。
「すぐに眠たくなりますからね」
と看護婦さんが言いました。
だんだん意識がボーとなっていくのが分かりました。
でも麻酔が良く効いてなくて痛いのが怖くて、しっかり効いて来るまで絶対に寝ないぞと、一生懸命目を開けていました。
見つめるライト以外、何も見えなくなった気がしますが、お腹の中を触られているようなかすかな感触と自分の周りで看護婦さんが動く気配だけ感じていました。
ありがたい事に痛みは全くありませんでした。

多分最初から最後まで目は開いていたと思います。
病室までストレッチャーで運ばれる時もキョロキョロと目だけは動かしていたのを覚えています。
さすがに気持ち悪かったのか、看護婦さんに
「目閉じていいですよ」
といわれてしまいました。

病室で一人になって初めて眠りました。
不思議と涙は出ませんでした。悲しいという感情が麻痺していたのかもしれません。
前日までにかなり出血していたので、心の準備が出来ていたのかもしれません。

麻酔がしっかり覚めるまで二時間程かかりました。
術後の血圧が低かったので、
「ふらつきませんか? 頭痛はありませんか?」
と聞かれました。
確かに歩こうとするとふらつく感じはありましたが、だんなさんと長女が迎えに来てくれていたので、早く帰りたくて「大丈夫です」とすぐに帰らせてもらいました。

実家に帰ってからも、痛みなどは全くありませんでした。
それでも体が疲れていたのか、麻酔の影響か、ひどい眠気があってすぐに床に入りました。


出血が始まって実家に帰ってから、腹痛で辛い時期、子供に当たってしまって、なんて情けない母親だろうと、娘たちに対して本当にごめんねと言う気持ちでした。
体調的には安定してきた今、改めて無事に私たちの元に産まれてきてくれた二人の娘を、今回悲しい結果になってしまったもう一人の赤ちゃんの分まで、大切に大切に育てていこうという気持ちになれました。

それでも、まだ術後一週間。
子供たちが保育園に行って一人になった時、ふとした事で涙がこぼれたり、とても後ろ向きな気持ちになる事があります。
でもそれは当然の事。
泣きたい時は泣いて、悲しいときは悲しいという事も必要だと思う。
もちろん、明るく楽しく生活したいけど、亡くなってしまった赤ちゃんの事を忘れる事なんて出来ないし、忘れたいとも思わない。
でも、そんな気持ちを旦那さんや親にも言えないでいる自分がいます。
家族の前でも泣けないなんて、ちょっとやっぱり参ってるかな…。





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Last updated  2006.05.14 21:16:37
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