えりえりちっく

さっき、夜の８時頃日記をつけたら・・・・
なんと、送信していなかったのか、何もなかった。ああ・・・・最初から☆（笑）
せっかく書いた小説も最初からかと思うと悲しいよ～。何せ、パソコン画面見ながら書いてるもので。
それにしても、おまけの小説なのに、小説だけ書いてどうするんだ、私。
☆　　　☆　　　　☆ラブ・ネット☆　　　☆　　

　　　　　　第２話　　浮気

　　　　　　　　　　　　　1

　洋子がＭＳＮを開くと、３人の名前が並んでいた。ただ一人、ジュークだけがネッ
トに接続しているのがわかる。もっとも、ＭＳＮを一時的に落としておいたり、通知
禁止機能を使っていればわからない。
　右下に小さなウィンドゥが軽い音と共に開いた。

ジューク＜　こっち

　洋子がその文字をクリックすると、もう少し大きなウィンドゥが開いた。

ジューク＜　大丈夫か？

みか＜うん

ジューク＜さて、何から話したものか・・・

みか＜　ね、奥さんとうまくいってないの？

ジューク＜・・・まあ、うまくいっているとは言えないかな。

ジューク＜でも、それとこれとは関係ないよ。

みか＜そうかな。逃げてるよ。きみ、きっと逃げてる

ジューク＜・・・・

ジューク＜　去年、うちの奥さんは家出した

みか＜え？　家にいないの？

ジューク＜　見つけて連れ戻したからいるよ

みか＜　何で家出したの？

ジューク＜　ネットで出会った男に会いに行った

みか＜・・・

「それじゃ、まるっきりあてつけだって事、この人気がついてないのかしら」

ジューク＜裏切られたと思った

みか＜だったら、同じようなことしないほうがいいと思うよ

ジューク＜　うん・・でも

みか＜　でも？

ジューク＜　ひとりなんだ。君にいて欲しいんだ

みか＜　友達としてならいくらでもいてあげるよ

ジューク＜　いやだ

みか＜・・・嫌って言われても（笑）子供じゃないんだからｗ
　　　大体きみ、何歳さ

ジューク＜２４

みか＜　あたしより年上じゃない。

ジューク＜２３なんだ

みか＜うん。ね、奥さん構ってくれなくても娘さんだっているんだし、一人じゃないじゃない

ジューク＜　みか。どうしてもだめなの？　現実に会ってくれとかは言わないよ。このネットの世界の中だけでいいんだ・・・・頼む

みか＜・・・・

洋子は戸惑った。この「ジューク」という男にこんな繊細な弱い面があるとは思ってもみなかったのだ。今まで話していた時は、自信があって何でも出来そうな人物だという印象を受けていたのだ。
（なんだかこの人、ほうっておけないな。何とか助けてあげたいけれど、どうすればいいんだろう）

みか＜いや、でも、昨日会ったばっかりなんだよ？　もうちょっと考えてみたら？　もしかしたらもっといい人に会えるかもしれないし

ジューク＜俺の気持ちは変わらないと思うよ

みか＜　わかった～あっちこっちで会う人に言ってる！　とか

ジューク＜　いってないよ。俺シャイだもん

みか＜　シャイなやつが会って二日目の人に告白するか～（笑

ジューク＜　だから、今回は特別なの！　

みか＜　ふ～ん

ジューク＜ふ～んじゃなくてね、みかのことだよ？

ジューク＜ああ、もうそろそろ俺も準備しないといけない

みか＜　あ、仕事？

ジューク＜　いや、面接。今求職中

みか＜　わ、大変じゃん。こんなことしてる場合じゃないよ

ジューク＜　大変だから、そばにいて欲しいの。返事はまた明日聞きにくる。それまで考えておいてよ

みか＜でもさ、

ジューク＜一ついっておくけれど、真剣だから。君に迷惑かけるつもりはないし、家庭を壊す気もない・・・ただもっとそばにいて欲しい、それだけだから

みか＜　・・・・

ジューク＜じゃあ

そういってジュークは落ちた。洋子は画面の文字を見つめたまま固まっていた。この人に手を差し伸べるには、それしかないのかと、考えながら。
　もちろん、夫のことを愛している。夫も洋子のことを大切にしてくれていると思う。子供は大変だが、大切だ。
（私みたいな普通の主婦のどこがいいっていうんだろう）
　今の夫と付き合い始めたのは、洋子からアプローチしたので洋子自身はあまり愛されている、という自信がない。専業主婦になってからは家にいることが多く、他人に評価される機会などないから、尚更だ。子育てによる、自己嫌悪もはいって更に自分に自信が持てないでいる。
（どうやって断れば・・・）
　洋子の心は千々に乱れた。

☆　　　　　☆