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私的読書記

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2007.09.19
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カテゴリ:本、小説



慟哭
創元推理文庫
貫井徳郎


一度目と二度目で二回楽しめる本、活字でしかできないミステリー

私と皮膚一枚で区切られた外の世界は現実だろうか、妄想だろうか
あると思えばあるし、ないと思えば存在しないも同然だ
人間はちょっとやそっとのことじゃ変わらないし変われない
それを変えてしまう喪失感が直接描写されていないところが恐ろしい

日本に存在する23万もの新興宗教
社会に属することを忘れ、人間の欲するがまま行動し慟哭する

新興宗教団体の究極の目的が金儲けだとしても
それが人を救うことができるならいいじゃないかと他人事で思っていた
だが結局は自分を見失い、なにかにすがることでしか生きられなくなった
人間の末路は言うまでもない

“どうして新興宗教に没身したのか、それは愚問だ。人は信じたいことだけを信じるのです。
私が信じたいから、信じた。それだけのことですよ。”

その言葉にはとっさに反論しようとしても言葉を呑み込まざるを得なかった…





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Last updated  2007.09.20 01:39:02
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