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書籍編集者esのつれづれ書評+α

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June 2, 2005
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カテゴリ:出版界こぼれ話
とうとう日経(6月1日付け)にまで「ブログ本」について突っ込んだ記事が出ましたね。
日経に出たとなると、今まで「『ブログ』ってイマイチよくわからん」と言っていた、出版社の経営者や管理職がにわかに乗り出してくるような気が…。
ちょっとイヤな予感がしますね。

ちょっと長いけど一部引用しながら、考えてみたいと思います。

『(略)「ブログ」が相次いで書籍化されている。作家や著名人ではない、一般の人が本音で語る文章の新鮮さが共感を集め、十万部を超えるヒット作品も生まれた。「すぐ飽きられる」との声もあるが、出版関係者は「ブログ文学を育てたい」と意気込んでいる。』

確かに今は「すぐ飽きられる」という声が高いですよね。
私も、単純にネット上のアクセス数が高いからといって、本にしても即売れるとは思えません。
多くの方がすでに言っていますが、「ネット上の魅力が本でも再現できるか」が難しいところで、さらに本で読むことの付加価値がないといけないと思うのですよ。

記事によると、アメーバブックスでは編集者が一人一千件のブログをチェックしているそうで、それでも、

『出版までの時間やコストは通常の出版物よりも手間がかからない。アクセス数を見ればヒットの度合いを予測できるメリットもある』

とのこと。
一千件のブログを見るってすごい・・・。
私だったら、一千件のブログを見ている時間があったら、面白い企画を考える時間にあてたい、と思ってしまいますが。

確かにその一千件の中から、10万部売れる本ができればいいのかもしれないけど、それってなんか面白くないような気が。
ブログ本は悪いとは思いませんが、勤務時間の多くを割いてその発掘に当てるというのは、なかなかしんどそうだなぁ。

最後に、

『書店側の意見は定まっていない。東京都内の大手書店のフロア担当者は「読みやすく売れ行きも好調だけど『旬のもの』で終わるかも」。別の書店の担当者は「書き手を育てるという視点がない」と手厳しい。ブログ本が新ジャンルとして定着するのか、出版社も書店も手探り状態のようだ』

とあります。
この「書き手を育てるという視点がない」というのは、確かに一理ありますよね。

アメーバブックスがいうように、『出版までの時間やコストは通常の出版物よりも手間がかからない。』という発言は象徴的です。
手間がかからずに出版できるというのは、ネット上で売れているものを、そのまま本にしちゃえ、ということなので、育てるという意識はあまりないのではないかと。

でも、冒頭にある『ブログ文学を育てたい』という意気込みはどのへんにあるのでしょうか。
ただ面白いものを見つけてきて、ちょろちょろっと編集して売るだけでは頭打ちになるのは間違いないような気がします。
『育てたい』ならいろいろと考えないといけないですよね。
そうか、考えてみる価値はあるな…





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Last updated  June 2, 2005 10:24:09 AM
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