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テーマ:暮らしを楽しむ(388446)
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忙しさにかまけてずいぶんご無沙汰だったです…!
この前、といってもだいぶ経つけれど、 レオナルド・ディカプリオ主演の映画「ブラッド・ダイヤモンド」を 観てきました。観た方いらっしゃいますか? 仕事柄とても気になったことがあって、 このブログノートを引っ張り出したというわけです。 映画はダイヤなどの産出国が内戦などの紛争地域だと、 その採れる宝石類がまさに武器購入のための資源になってしまう、 という「紛争ダイヤモンド」の問題を描いている。 途上国では非合法に輸出されたダイヤモンドが、 テロ組織の資金源となっていて、人々の血で洗われた ダイヤモンドという意味で、ブラッド・ダイヤモンドと呼ばれ、 内戦を早く終わらせるにはそんな資金源を断つ必要があります。 ダイヤのシンジケートは皆さんご存知ですか? ダイヤモンド・トレーディング・カンパニー (DTC,デ・ビアース) は、この映画が公開前の早い段階から、 われわれ宝石関係者に何通も手紙を送ってきています。 アメリカで不買運動も起きていることすら知らなかった私は、 その大シンジケートのあわてぶりに驚いたものです。 でも実際に映画を観てこれは神経を尖らせるはずだと納得しました。 映画を観た方ならお分かりかと思いますが、 非合法なダイヤを買い取る巨大な組織が登場します。 その名前はもちろん違っていても、まさにデ・ビアースを 指している…、のかどうかはともかく この映画が公開される以前から、「消費者は自分の買うダイヤが 紛争ダイヤと関係のない保証を求めてくる可能性がある。」 と、警告してきたのです。 業界人でこんなことを言うのは勇気がいるものですが、 日本の場合そんな保証を出せるシステムはありません。 なぜかと言うと、 紛争ダイヤの問題が世界的に大きくなり、 キンバリー・プロセスという、2003年以降紛争ダイヤではないという、 確たる証明がなければ「原石」の輸出入が出来ないようになっています。 しかし、日本では「原石」を輸入することは滅多になく、 ダイヤモンドのほとんどが様々な形にカットされた、 研磨石・ルース(裸石)の状態で輸入されるからです。 原石ではないルースの場合は、キンバリー・プロセスの縛りから外れ、 業界の自主規制のインボイスだけで済んでしまいます。 ということは、 驚くなかれ、他国で原石の段階に紛争ダイヤが紛れて、 カットされ、ルースという姿になって日本に入ってくれば、 もう全くわからなくなってしまうのです。 シンジケート自らが紛争ダイヤを買い続けるならば、 何も変わらず、何も終わりません。 私が特に皆さんに知って欲しいのは、 そんな日本の現状なのです。 誤解を恐れずに言うなら、 紛争ダイヤは買い叩けると、もし考えたとしても、 日本では手に入れることは出来ない。 日本では、他国で原石の段階でブローカーやシンジケートたちに やすやすと利益を乗せられたあげく、 美しく研磨され、そして晴れて公明正大に日本に輸入される と言うのが実情です。 そんな日本の状況を知りながら、 「紛争ダイヤではない証明を提示しましょう。」 などと、警告しているだけで、自分たちの非をかわしている、 シンジケートの態度はきわめて卑劣とさえ思えてくるのです。 そして、もう一つこの問題を困難にしていることがあります。 それは、ダイヤの特質でもあるのですが、 それは次回にいたしましょう。 それでは、皆さんお久しぶりですが! 少しずつ再開すると言うことで、 よろしくまたお願いします! しかし突然再開で、こんな堅い話もないわなあ と、ちょっと反省してます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.05.28 16:01:08
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