029864 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

おいろーぱ野郎

おいろーぱ野郎

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

JAWS49

JAWS49

Calendar

Category

Comments

海のくまさん@ チン型取られちゃったw http://onaona.mogmog55.net/-o7bwaa/ 俺…
太鼓薔薇@ ちょwwwwwwww 今までデリ嬢に金払ってたのがバ力みてぇ…
らめ仙人@ 初セッ○ス大成功!! 例のミドリさん、初めて会ったのに、僕の…
チリチリ@ 次は庭で全裸予定w http://kuri.backblack.net/gnm4naj/ ち○…
ボラボーラ@ 天職見つけた!!! 女性用性感マッサージのバイトおもすれぇ…

Archives

2024.11
2024.10
2024.09
2024.08
2024.07

Keyword Search

▼キーワード検索

2005.02.13
XML
カテゴリ:das Thema
 仕事を終え、玄関に待機していたTAXIに乗り、北方へ30分のAntwerpに向かう高速に流れ込む。車中で運転手が質問に答える:
「そりゃあ、”Happy Birthday”だよ。子供も大人も皆そういうからねえ。」
そりゃあ、アジア人観光客向けの余りにベタな回答だよ。子供も大人も皆そういうのはアングロサクソンの刷り込みだしねえ。
「うーん、そういうことかい。じゃああれだよ、あれ、フルキゲ フェリヤーダッハ。」
「るるきえ えりやーら?」

 今回の出張はベルギー人同僚FとDeの誕生日に偶然かちあった。仕事後に彼らのOffice近くの店で一杯やるのに合流する事にしたのだが、お祝いの材料が無いのは締まらないので、フラマン語で誕生日おめでとうの挨拶をしようと考えた。
 運転手の講釈によれば、この呪文は “一年でラッキーな日(におめでとう)”という意味を持つ。しかしこの息漏れ系言語の音は思ったより憶えにくい。そのお陰で車中のアジア人2名は ふるきげ中毒を発症した。
「うるいげ へいやーが。」
意地でも暗記すべく、2分走っては二人でフルキゲフルキゲと毒キノコにあたったように確かめ合い、にわか教師に変身した運転手に矯正される。
「違う違う、いいかまずGで始まるんだ、そして次にL、、、。」
なんだい、黙って聞いてりゃ始めの部分はドイツ語で言うGluecklich(=幸運な)と似たスペルじゃないか。そういえばフラマン語の特徴の一つにGはHと同じで濁らないってのがあったな。単語からイメージさえ掴めればしめたもんだ。マレーシア人同僚のKはPDAになにやら記録している。おい、反則だぞそりゃ。
 渋滞を抜けたTAXIはAntwerpのとある倉庫街の一角にあるPub兼レストランにようやく到着した。出迎えるFに、ドアを開けるや否やKのフルキゲ砲が炸裂する。威力のあるうちに撃っとかないと忘れちまうもんなあ。

食事前にまずは入口そばのPub用テーブルで飲みはじめる。カウンターで忙しく酒をサーブする妙齢女性の無理のない気配りは心を和ませる。情けないが梅酒しか駄目な自分はいつもチェリービアだ。それでも度数は4.7%と高目だが、皆の注文した地ビールは8%を越えている。ドイツを凌ぐと自称するビール文化の国ではチェリービアなんてお子様ランチに等しいんだろう。フルキゲ フェリヤーダッハ。
 前哨戦を終え、ようやくテーブルにつき各自料理を注文する。仔牛の一口サイズステーキを注文したが、その盛付けの美しさと繊細な味に嬉しくなった。なかなかフルキゲでよろしい。

 夜はまだこれからというところで、テーブルの話題は軽めの全人類参加型Topicsへ自然となびいていく。
「最近はUK女もきれいに見えるようになってきただって? Jよ、お前本当に終わったなあ。」
 Fの容赦ない言葉が耳にしみる。南ドイツからの強制移住が決まったときに真っ先に同情してくれたのがこいつだった。仕方ないだろ。フルキゲ フェリヤーダッハ。ヒトは悔恨の海で溺死しないように造られている。その大海原を泳ぎ抜ける為に”適応”と言う名のちょっとした撹乱剤が我知らず体に仕込まれているのだ。それ以上同情するとこないだの仕事のヘマのことを話題にするぞ。俺、うまく仲介したよな。
 自分達の体型なんかそっちのけにしてPearShapeという言葉をダシに笑いまくるベルギー人達。好みの問題だとはいえ、その気持ちはよく判る。
 この日仕事振りを見せてもらった若いベルギー人女性達は小柄で細身なタイプが多かった。勿論PearShapeなんて、てんでお目にかからない。仕事の内容にもよるのだが、みんな決してでしゃばる事がなく、攻撃的に自分の主張を通すことも無い。彼女達のみせるその柔らかな雰囲気には、ドイツやUKで目にするものとは微妙に異なる趣がある。息漏れ系言語の音調も手伝ってか、随分フェミニンな印象を受けた。隣のテーブルでは、帰り際に知人と出合った様子の土地の女性が立ち話をしている。正装ではないがまずまずの着こなしをした彼女の姿と柔らかい物腰に、Fの言わんとするPointが浮かぶ。

 度数8%が脳に行き渡ったか、Fが調子に乗って自論をぶつ。「Jよ、ベルギー女性もなかなかいいんだが、これはっ、ていうのはロシア人だぞ。東欧系は綺麗だぜ、、、本当に。」
自分の言葉が想起するイメージに酔ったのか、どこか遠くを見つめるF。彼のそんな表情を見たって、逆フルキゲなだけで自分にゃ何の得にもならない。

 気を抜いているとDeが更に品性のレベルダウンを狙う。
「どうして日本人はあの事をあんな大っぴらにしゃべるんだ?」
Deの疑問を整理するとこうなる:
 日本人は妻子がいたってお構いなしにそういう場所に行くみたいだ。ある人は ベルギーのそれは非常にビジネスライクだが構わないとか、別の人は潤いのある日本式の方がいいとか、またある人は、慣れると金額が高くなる方に推移していくとか悪びれもせずに話していた。そんなのを平気で話すなんて理解できない。

 自分にだってDeの引用した日本人のあけすけさは説明できない。世代別の特徴というのが存在しているのは経験上確かなので、プライバシーの共有が善だとする教育で育った時代の人達があけすけに振舞うのだと思う。ただ、補足としてDeには平安時代だとかに遡った日本の歴史を説明せざるを得なくなる。特別良い事であるとは思わないにせよ、元来大和の民はそのことに対し大らかだったのだ。西洋がそれらの価値観を払拭し始める前までは。

Deが続ける:
「ここではNo one knows だ。誰がいつそこに行こうが、誰にも知る必要が無い。それを言う必要も、訊く意味も無い。自分だけのものだからだ。」 

 フルキゲの弾を打ちまくるのにも飽き、FがAntwerp市内のHotelまで送ってくれた。治安が良くない場所だと聞いていたが、割合新しく清潔だ。
 Laptopを電話線につなぎゴソゴソしていると背後でフラマン語放送を垂れ流していたTVから、男と女の声で互いに「FCUK YOU!」と罵倒しあう声がし 振り返る。画面の中では冴えないチンピラ中年男が周りを囲む若い娘の一人を捕まえて悶着している。

 MATROESJKA'Sというこの連続ドラマに、結局小一時間くらい付き合ってしまった。その回のあらましはこんな感じだった:
/ワケありのロシアまたは旧ソ連所属国からの娘達がAntwerpのテーブルダンス屋に就職する(リトアニア人だからVisaは要らないという娘もいた。フラマンで話している娘もいるのは現地採用か。)
/テーブルダンス屋の元締めマフィアのような男がWelcome to Antwerpに始まり、ベルギー英語で社内ルール説明:
-客が飲み物を頼めば金額の10%をGet; -PrivateダンスでボーナスGet; -Bossがオヒネリを徴収する; -そのものズバリは無いがもし自分がよければOK
/寮みたいなタコ部屋で女同士の小競り合いがある。
/ステージで気前良く脱げないと怒られる。踊りは監視されている。
/羞恥心を抑えて頑張る。知り合いを観客の中に認め袖に引っ込む娘もいる。
/長くいる娘は慣れてる様子で、控え室に丸出しで戻り堂々としている。
/長くいる娘の一人が控え室のドレッサーの前で現金を抱えているのをみた新人娘が、英語に切り替えMuchMoneyというと、秘訣はPrivateダンスよと言われる。
/お開きになるとステージに全員登場し、Tombola(=くじ)で当たった客に指名された新人娘は完全施錠のVIPルームに連れて行かれ、客の餌食になる。
/その間、客のそばについた他の新人娘達はextraの交渉をされるが、(遵守されていると信じている)社内ルールを盾に断る。
/別の新人娘は客が胸に触るなら100EURもらうわよと警告するが、逆に客からそんな額だったらお前をXXXXできるぜと毒づかれる。
/VIPルームの異変に気づいた新人娘が勇躍客席に戻ってきた客を叩き流血ダウン。
/その娘は後日ある家に連行され、この人が新しいBossだと言われ置き去りになる。新Bossはチビデブハゲでいきなり迫ってくる。

 登場する女優達は皆非常に美しいが展開は暗く薄気味悪い。実態は腐った商売なのに金欲しさでそうとは知らずに始めるが、結局は悪い奴等の思うまま人形のようにコントロールされてしまう。スペアは幾らでもいるのだ。しかしその現実に折り合いがつく娘はこれを良しとして進む。悲しいがこれも世界のバランスの一断片ではある。
 こういう番組をTVドラマとして制作費をかけ放送するのは 夜の業界に対する抗議なのか、単にスケベ心を充て込み視聴率を稼ぎたいだけかはまだ判らない。ベルギー人のバランス感覚からいうと両方が正解なのかもしれない。
 ただ、テーブルダンスよりも踏み込んだそれらがあることで知られているAntwerpにいてこれを観るのはなんとなく心苦しい。その商売自身を悪いとは言わないが、中で起きている事がドラマより奇怪なのか想像がつかないからだ。

 翌日午後仕事を終えた時、例のにわか教師を兼務する運転手にこの番組の事を知っているかと尋ねると、フルキゲなトーンで明るく歌いだすかのように言った:
「マトリョーシカ! 知ってるよ、 Girls of Pleasure だ!! ははははは!」
 番組の背景にあるものが何か念のために訊いてみたが、彼の想像が及ぶ質問ではなかったようだ。例えばベルジャンワッフルにワッフル以上の意味があるのかと思ったのかもしれない。TAXIはザベンテム空港へ向け高速を南下する。

 Europeにもこういう夜の顔がある。そこに昼の顔があるように、そのことは事実の一部でしかない。

〔 To be continued / Fortsetzung folgt 〕


*** 補足 ***

1. VTM社(=ベルギーの放送局)のMatroesjka's紹介ページ
* Trailerが右下にあります

2. 海外放送ブローカー的なUKの会社のMatroesjka's紹介ページ(英語)
* フラマンの綴りでは買い付け側が憶えられないと思ったかMATRIOSHKIに改題してますね






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2005.02.14 07:45:34
コメント(12) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.
X