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おいろーぱ野郎

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2005.03.20
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カテゴリ:das Thema
 CeBit2005が終わった。今年はさほど波乱もなく、自分は行かずに済んだのが幸いだった。
 CeBitはドイツのHannoverで年に一度開催される電気電子情報通信関連の展示会であり、数年前までIT業界におけるその代名詞だったCOMDEXを超えこのカテゴリにおける世界最大の見本市と目されている。Europeは勿論、北米、極東に至る関連企業が展示ブースを設け、概ね一週間の会期にMeetingや視察と称する物見遊山のために出張者を派遣する。

* 因みにHannoverはメッセの街としての国内地位確立に意欲的で(=他にさしたる経済的特徴がない)CeBit開催地の座を毎年維持している。ドイツ人をして世界の物笑いに終わったと言わしめたEXPO2000もこの地で催された。
 脱線するがあれは傍で見ているだけで痛々しかった。悲惨な客入りに頬をひっぱたかれ、現実に目覚めて宗旨変えをした主催者(=殆ど政府関係者?)は、futuristicなイメージのとっつきにくいTV CFを、Veronaという売れっ子ボディコン系芸能人の体験レポート的それへと安直に切り替えた。結局期待した観客数に届かず、或る議員が国会か何かで“(こんな馬鹿げた無駄使いをするなんて)ドイツ人にもユーモアのセンスがある事を世界に判ってもらえただろう”という破れかぶれのコメントをしたらしい。

 世界最大の触れ込みに違わずCeBit会場はだだっ広く、往々にして陰鬱な日が続くドイツの冬空の下、場内をシャトルバスが周回する。SoftwareからHardware、家電からHighEndシステムまでを広範に展示しているのでまともに回るなら一日では足りない。
 不況を反映し入場者数は年々減っている気がしないでもないが、多寡にかかわらず人波の中にいるのは落ち着かないものだ。展示ブースに置かれたパンフレットや販促物の類は次々に見学者の掌に消えていく。英語に”Selling like a hotcake.”という表現があるが、ブースの中で南ドイツ人同僚達から、“Das geht weg wie warme Semmeln. (焼きたての小型の丸パンのように消えていく)”という慣用句を習ったのが懐かしい。

 会場にIT業界のTopがお目見えする事は至極普通で、当時HPのCEO就任直後のFiorina氏もはるばるUSから視察に来たらしい。噂では、彼女はシケた街に宿泊するのはヤダと駄々をこね、BerlinかどこかのHotelを根城にしヘリコプタか小型JetでHannoverに舞い降りたと聞く。
(お歳を召されているとはいえ、US女性らしい可愛いエピソードだ。尊敬を含め個人的に趣味だったのだが今年辞任してしまったのは寂しい。)

 社用でCeBitに出かけねばならない業界のもののふ共は、このイベントの名を耳にするとNegaitveなテンションが高まる。Hannoverの街のインフラが大規模な旅客を迎えるには貧弱だという理由がその筆頭にある:
 宿泊施設のキャパ不足でHotelの料金が高騰するのはよくある事だが、Hotel自体が不足している。そのため部屋を間貸しする民家が数多く名乗りをあげる。UKのB&Bが短期的に出現するようなものだ。それでも市内近郊のHotelからあぶれた旅人は更に郊外の宿を予約しなければならない。自分もBadOeynhausenという田舎町に泊まった事がある。
 交通事情もネックで、国外からHannoverへのDirectフライト便数が限られておりFrankfurtMやHamburgからの経由便になる。経由便フライトにあぶれた旅人達はドイツの各地方都市から参加するドイツ人よろしく到着した空港から電車を乗り継ぐ事になる。EXPO2000前に中央駅の改装も終わり、Hannover駅舎自体には若干の改善が見られたが、臨時電車を含めた電車本数に大幅な改善はなく、車両は山手線のように人で混み合う。
 多くのドイツ人がこんな大規模イベントをHannoverで行う事に疑問を感じているが、それが決定事項なら仕方ないと潔く割り切っている様子が おりこうさんで微笑ましい。
 こういう事情をバイアスとし、来場者へのアテンド(=座れない)やPartnerさんとの会議で疲れた体に鞭を打ちつつ、交代時間に、広大な場内を興味のある出展を捜して回るのは結構体にこたえる。

 肉体的苦痛に加え、精神的にめげる要因も勿論ある:
 CeBitは普段物理的にコミュニケーションを阻まれている利害関係者たちが一堂に会する場としての意味合いを持っている。利害の度合いによっては顔を付き合わせるや否や公開リンチや人間バーベキュー開始と相成る。そんなの誰だって御免だが、現実は人に待ったをさせてくれない。
 加えて、普段コミュニケーションのない一般来場者達の応対がある。特に土日が厄介で、展示はどうでもよくただ販促品目当てで押し寄せる子供達にどう接するかがブース共同体の共通課題となる。
(2000年頃だったか、アテンド中のCeBit会場に一般入場者としてMichaelJacksonが来るという噂が流れた。口裂け女よりも信憑性は高く、事実だったらしいが結局お目にはかかれなかった。人騒がせが趣味なんだそうな。)
 更に、ブースを時折訪れる個性的な人達が、鈍色の疲労の上に 予想のつかないサイケデリックな色を添える。

 ドイツ人同僚のCがある日言った:
「過去にこういうことがあった。一般来場の人が、アテンド中の自分を捕まえ政治の事を延々と話してくるんだ。俺は言ったんだ、自分は出品物の話はできるが、政治の話はできないって。そしたら大統領がどうのとか世界時勢がこうのとか、さらに続けてくるんだ。もう一度言ったよ、政治の話は出来ないって。」

 CeBitではないが、南ドイツのメッセ会場で自分にも同様の思い出がある。社内の幾つかのGpで共同展示していたブースでたまたま自分ひとりになり、初老の歳相応の威厳を備えた或る男性がチラシを片手にやって来た。質問がある と静かに言う。
「このデバイスはxxGB記憶できるのかね。」
自分の担当外サンプルなので正確なMigrationを回答できる商品知識はない。失礼のないように無難に答える。
「自分の理解する限り、現在はまだyyMBですが、将来的にxxGBモデルを発表すると考えます。」
威厳氏は、一瞬で形相を変え、突然チラシを床に投げつけ、呪いの言葉を口元に並べて、激しい剣幕で自分にそれらを発射した:
「競合他社がzzGBの製品を現在出荷してるのに、何をしているんだ! どういう事なんだ!!」
怒りの余り 何をしているのか、どういう事なのか わからなくなった様子の威厳氏は、理解を超えたドイツ語でののしりながら隣のブースへと出撃していった。床に落ちたチラシを前に立ちすくむ自分の頭に、彼は自分の会社の創立者なのか、さもなくばこのデバイスの開発者なのか、もしや自分の上司なのか、という疑問文が旋回した。やがてその全てが誤りである事を再認識し、結論が出る:
「可哀相だけど、イカレてる。」

 同じメッセで同じ日に、小犬を連れた50近い女性がブースにやって来た。ドイツ人同僚達に展示物の質問をしているようだが、同僚達のこわばった笑顔からなんとなく妙な雰囲気が推し量られる。子犬を見つめ目を細くする日本人同僚Fが、可愛い犬ですねと話し掛けたのに女性は気付いた。彼女の表情は硬く、まるで奇妙なロボットを見るかのように澄んだ視線をしている。子犬を抱きかかえた彼女は無表情にFに問う。
「あなた結婚しているの?」
「ええ。」
ここで何故結婚という言葉が出てきたのか誰にも想像がつかない。更に女性は表情を変えず問う。
「”何“ と?」
彼女には、Fがドイツ語を理解し”つがい”を構成する何かの物体に見えたようだ。その時そこに居合わせた人々の脳は 彼女を除き 完全な真空で満ちた。

 CeBitを終えたある日の南ドイツOfficeで同僚達が日本人同僚Tの日本語の口真似をしていた。片言コトバをよく聞くと“CeBit ハ モウ コリゴリ”と繰り返している。
 巷に浮かぶ燃え尽きたドイツ人達の屍から、精神は太陽を求め離脱する。それは生贄として参加する祭りのさだめだ。CeBit後はOstern(=Easter)まで長期休暇を取るなどして一時的に開店休業状態になる業界関係者は多い。文字通りの>復活<にかこつけているとしたら、ちょっと出来すぎだが。





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Last updated  2005.03.21 06:42:45
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