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おいろーぱ野郎

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2005.04.10
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カテゴリ:das Thema
 近くのタイ寺院が年に一度のお祭りの日を迎え、住宅街の狭い道路には軒並み駐停車禁止の小型パイロンが並んでいる。お釈迦様の誕生日とか何だとかで、Londonやその近郊に住んでいると思われるタイ人達が自動車やバスで繰り出す中に紛れ、門をくぐる。
 立派な寺の窓枠には赤と金の細工が施され、白地の壁に映えている。その窓枠は屋根の細工と同じようにまるで炎のように天空を目指す。日本の縁日のようにタイ料理の出店がならび、香ばしい匂いが食欲をそそる様子は、猥雑で逞しいアジアの生命力を判りやすく滲ませている。
 寺院に続く階段前では、花に囲まれた釈迦像が参列者から水をかけられ、花びらの浮く水の中で座禅を組んでいる。その上段には別の釈迦像が全身に剥がれかけた金箔をまとっている。
 紙や紙幣で、ご神体表面を覆う箔の一部をちぎり取る人たちを目を丸くして見ていると、その逆で、箔を貼り付けていた。歪んだ目につながる貧しい心を、お釈迦様から密かに諭されたかのようだ。

 これだけのアジア人の群れを見ると周辺住民は心中穏やかでないだろう。ただ、その点寛容にできているのがアングロサクソンさん達のいい所か。この日はバス停もアジア人の利用客に溢れる。知らない人が見たら何の騒ぎかと思うだろう。自分も昔はそうだった。

 南ドイツの故郷では路面電車(トラム)が発達していた。従って、準備ナシだと行先が把握しにくいバスを利用した事は余りないが、遅延などサービス面でのクレームは多く聞かない気がする。普通のバスをゴム蛇腹を介して縦に2台接続したタイプのそれが主流だった。緑の丸にHマークが目印のバス停にはMuenchen市のFCUKYou小僧ロゴをつけ、くすんだ青と銀に彩色されたバスが停まり、発車する。

 Londonの二階建てバスには、財政面の理由だろうが、ボンネットのある古いタイプのものが時々運用されている。後ろに車掌さんが乗る奴で、追いかけて飛び乗れる利点がある(命の保証まではない。)そういえば、僻地だったからかも知れないが、物心付き始めた頃は日本もバスに車掌さんがいたなあ。
 さすがにそろそろ絶滅させないと乗客の生命にかかわると考えたのか、ややモダンなタイプへ完全移行されると聞いた。しかしモダン号といえども、時折路上で乗客も運転手もなくハザードをONにしたまま乗り捨てられているのを見る。それは被弾して打ち捨てられた戦車のようでわびしい。整備不良なのかもしれないが、こんな有様じゃあどんなバスが来たって乗客の生命にかかわりそうだ。

 赤地に白く浮き出したLondon地下鉄マークが目印のバス停での、南ドイツとの相違点の一つは、バスが見えたら、待っている乗車希望者は腕を体の横に出し、停まって欲しいという意思表示をする事である。選択的ヒッチハイクでもしている気分だ。
 バス停に人影があれば、普通は停まってくれそうなもんだが、降車希望者がない場合にこの意思表示がなければ、希望の路線でないと見なし、通過するのだろう。腕の先に握ったコブシから親指を突き出す人も見かけるが、その真意は不明だ。

 もう一つの相違点は、バス停でモアイの群れを目撃する事である。特にWeekdayの朝の通勤中に目に付くが、老若男女の人間の格好をしたそれらは、皆バス停から道路を正面に見て右側を向き、焦燥と怒りと猜疑心をたたえた表情で、何かを待ちわびるように遠くを見つめている。一体二体なら可愛いものだが、そこにいる人型の全てが同じように凍結し佇んでいる様は異様だ。
 London地下鉄には電気仕掛けの掲示板があり、星からのメッセージを確認することができるが、バス停の多くはイースター島のように文明から隔絶されている。遥かな星からの使者を待ち望み、彼方をじっと見つめる目の群れが哀れを誘う。

 会社の同僚に市場調査担当の日本人女性がいる。明るく元気な彼女と話していた時、旦那さんとはUKの南のある町で知り合ったと聞いた。
「どうしてそこで?」
「丁度その頃、私、そこにある大学院に行ってたんです。」
「じゃあ旦那さんとはその学校で知り合った、とか。」
「いいえ、彼は当時からソフトウェアのエンジニアをしていたんで。それがね、ある日 家に帰るために、私 学校近くの停留所でバスを待ってたんですけど、もう 全ーっっっっ然、来ないんですよ。バスが。知ってますよね、いつまで待っても来ないの。 その時、丁度同じバス停で、ずーっとバスを待ってて、余りに来なくて仕方ないから、世間話をしはじめた相手。それが旦那なんです。」

 昨日、日没帝国の皇太子さんとその元愛人さんの結婚式が執り行われたとNewsで知った。元愛人さんは、旦那が将来王様になっても女王を名乗らないそうだ。その皇太子さんの、元お妃さんの訃報に接したのは7年位前、SanJoseの とあるガソリンスタンドのTVでだった。
 それから間も無くして、EltonJohnが、NormaJeanの為に創った曲をアレンジしたUKのバラを偲ぶ歌が世界中のラジオから流れ出た。あれだけ無残に変形したメルセデスに似合わない、一輪のバラの幕引きだった。側近が、「皇太子はそろそろ本当の事を話すべきだ」とMediaに語るなど 今になっても暗殺説は消えない。

 それぞれ想った路線に乗り損ない、途中下車した二人が、やっと来た望みのバスに二人で飛び乗った。そんなモアイの気持ちを推し量る事は容易だ。人の世ならばそういう形もあるだろう。
 しかし、走り行くバスを追う人々の目の多くには困惑の色が滲んでいる。モアイたちの心そのものは、バスを待つモアイたち自身にしか判り得ない。それは誰もが理解していることではあるのだが。








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Last updated  2005.04.12 02:46:29
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