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おいろーぱ野郎

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2005.06.05
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 とうの昔に桜の散ったAELTC(All England Lawn Tennis Club)裏通り沿いの桜並木。茂った緑葉のあちこちには直径10mmに満たない赤いサクランボが実っている。
 敷地の南端に相当する部分を囲む塀の立替工事も終わり、正門側の敷地内には緑と白の縞模様の尖ったテントが並んでいる。関係者および団体観光客用の駐車場スペースにはそろそろ各国の旗を立てる土台の準備が開始している様子だ。
 普段は死んだように静かなこの一角は、静かな住宅街に突然訪れる盛夏のようなテニス選手権大会を前に、また目覚める。

 コモンを横切る対面通行の細道、その雑木林側にキャンピングカーと建設機械のようなものの一群がどこからか現れ、数日の内にそれらは野外遊園地の構成物へと変わる。大会とは直接の関係はないが、この時期の恒例行事である。全仏オープンも今日男子シングルスが終了し、いよいよ秒読みだ。

 Wimbledonが近づくと、多くの選手がAELTC敷地そばの住宅を隠密に期間借りして本番に備える。自分の住む高層階でも部屋を間貸しする大家が多く、大会終了までエレベータの中でテニスラケットを携えた見知らぬ人々を目撃するようになる。その中には日本から出場する選手と思しき若者とその家族も含まれている。
 諸般の事情により、肩身の狭い思いをしながらここに止む無く住んでいるのだが、世界のトップランカーに遭遇する確率が高いため、テニス”プレーヤー”マニアが住んでいようものなら日々浮き足立っているだろう。

 2年前のこの時期のこと。家を出て数分にならない内に車を停め、同僚に連絡をする必要に迫られた際、件のタイ寺院に程近い坂道で、車内から携帯電話を片手に窓の向こうを眺めていた。
 穏やかな霧雨の中、サンバイザーを被り1kg位の鉄アレイを両手に携えた細身の女性と、その女性の体積の4倍はありそうな女性がゆっくりとジョギングをしながら車の脇を通り過ぎた。細身の彼女は数週間前に全仏を制した(一年おいて今年も制した)ベルギーのJustin Henin-Hardenneだった。

 最もAELTCに近い地下鉄駅Southfieldのそばにある冴えないlocalハンバーガ屋の中には来店したVenusWilliamsの携帯電話を片手に微笑む横顔が半畳程の写真になって飾られている。スーパーマーケットで買物をするAndreAgassiとSteffiGraf夫婦そしてその子供を目にする人もいた。
 人間の活動の或る領域において、世界で一握りのレベルに位置する人々が日常生活の中に溶け込むこの光景を極東の帝国で目にすることは困難に違いない。サイン帳を片手にプライバシーもへったくれも無く、ツチノコを発見したかのように指差し騒ぎまくる人々の姿が目に浮かぶ。何もこれに限らないが、個人の成熟度に関しては、越えたつもりで足元にも及ばない欧州の貫禄勝ちだろう。

 住宅街のあちこちに潜伏する選手達の送迎は、AELTCのロゴマーク付きのTaxiで行われる。大会が迫るとこれらのTaxiを通りのあちこちで見かけるようになり、運転しながらもつい車内に視線が向いてしまう。
 先日、諸般の事情で、自分の住む高層階と同じ敷地内にある2-3階建ての立方体チックな建屋が並ぶ区域の路傍に佇んでいると、ロゴマークは無いが何かワケ有りっぽいTaxiが停車し客待ちをしていた。
 知らん顔をして暫く待っていると、ジーンズ姿の女性が大きなノートを携えて立方体内部から出てきた。黙ってみている怪しい東洋人に気付き振り向いた彼女は、着衣のセンスもさることながら、整った顔にくっついた長い手足とスリムな体から、女優やモデルのようなオーラを発していた。選手のマネジャにしては若く美しすぎるし、なにせ実用性がなさすぎる。
 そ知らぬ顔で更に暫く待っていると、テニスウェアを纏った選手姿の男が出てきた。こちらはSpain人的ラテンの容貌だが、やや骨太で、ゴメスさんといった感じだった。全仏真っ最中のこんな時期にここにいるなんてノンシードの一般選手たちなんだろうか。
 その数日後、ゴメス氏抜きのモデルもどき嬢と、同じ場所で偶然再度お目にかかった。今度は無難にテニスウェアに身を包んでいたが、やはり選手にもマネジャにも見えなかった。

 病気続きの週末パターンからやっと脱出することができた嬉しさで、隣町のPutneyまで買物に出かけPretで遅い昼食を取っていた今日の午後。ソファの上に置いたTheDailyMailをきちんと読む気がないので後ろからパラパラめくっていたら2年前のWimbledon男子シングル決勝を戦い敗れたオーストラリア人Mark Philippoussisの見開きインタビュー記事と写真を見かけた。
 人気テニス雑誌Aceの読者調査で上位にランクされる、ハンサムだが無骨な印象の彼は数年前までプロテニス界のアイドルだったロシアのAnna Kournikovaといい仲だったと聞く。
 2m近い身長を生かしたサーブで、対するスイスのRoger Federerを苦しめた決勝の様子はTVの生中継で観たが、今年はWimbledon前にUKのLocal大会に出場し、センターコートから”ロブひとつ分の”近場に間借りし備えを万端にしていると書かれている。

 色男のインタビューには、予想に反し色気が無かった:
「初めてFerrariを手に入れたのは二十歳の時、そしてそれ以来全てが違う方向に進んでしまった。これまでの人生を楽しんだ事を後悔してはいない。自分の選んだままの人生を生きてしまったんだ。
 (6年位前に)ガンでもう長くないと宣告された父は、病に立ち向かい、未だに生き延びている。自分も脚のケガで車椅子を強いられ、もうテニスは出来ないと言われたが、全ては自分が決めるのだ と父に諭され立ち向かった。
 Miamiのナイトライフも無意味に感じるようになった。ようやく自分には車やバイクや色恋以上にもっと大切なもの、つまり大舞台での勝利が何よりも必要だとやっと判ったんだ。
 これまでテニスに全てを費やしてきたとはいえない。全力を尽くした挙句 勝利に至らないなら、その時は諦めがつく。しかしできるのに投げ出してしまったなら、自分は生涯それを悔いる事になるだろう。自分の最高の時期はほんの半年前に始まったばかりだと、初めてそんな風に思えるようになったよ。」

 真の自分があるべき姿を悟った28歳の若者が、正面から読者を凝視する写真。その下に配置された囲み欄にはこれまで彼が浮名を流した美貌のオーストラリア人歌手や、Kurnikovaらを伴った写真が載っている。そして現在婚約中という18歳のUS女優Alexis Barbaraとくだけた様子で話をしている微笑ましいスナップもある。 
、、、これってあの実用性のないマネジャー嬢じゃないかい。

 日没帝国には日昇帝国の松岡修造氏を髣髴とさせる Tim Henmanという国民的人気選手がおり、Wimbledonの度に彼が今回は優勝できるかというお決まりの記事がMediaの話題になる。
 追っかけマニアは狂信的に彼の優勝を願っているが、悲劇のヒーローの座は例年揺るがない。UK人によれば、メンタルの弱さが原因で、傍目にも判るその気持ちの乱れにより勝てる試合を落としつづけているらしい。年齢的な限界説もあり、いつ彼がセンターコートへの挑戦を断念するかがもう一つのMediaの目玉になっている。

 ゴメス氏に限りなく近いと思われる28歳は続ける:
「毎年出場し、安定した成果を出すTimのあの実力を侮ることはできない。それに優勝できないのが失敗だというのなら、殆どの選手は失敗でしかないだろう。」

 意地悪な見方だが、言葉が熱を帯びるのに反比例し、彼は無意識のうちに自分の限界を悟っているのかもしれない。
 人の世のなかで、各自に固有の“相対的限界”は、時間と共に生きている。そしてその苦々しい生き物は、どこに逃げても影のようにつきまとい、こちらの弱みを窺うのだ。そこには年齢も職業も、貴賎も性差もなく、対峙する姿勢の持ちようだけが与えられている。


*** 補足 ***

ゴメス氏と実用性ゼロのマネジャ嬢

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Last updated  2005.06.08 08:07:00
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