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おいろーぱ野郎

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2005.09.24
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カテゴリ:das Thema
 昼間でも気温が20℃を切る日が多くなり、秋分過ぎの高緯度地方にじわじわと冬が忍び寄ろうとしている。父なる郷里では今年のOktoberfestも始まった。

 いつまでも失った夏にしがみつきたい訳ではないが、思うところあってこのところ週末は泳ぎに出かけている。日本でも週末になると山のふもとの市立運動公園内プールに足を運んだものだ。とはいえ、いまだ長距離を泳げないばかりか、ターンを試みると前後左右不覚となってしまうレベルの低さなのだが。

 かつて、冬の最中に南ドイツでホテル住まいを始めた頃、週末の娯楽が限られていた事と、なにより泳ぎたいという気持ちが自分をオリンピック公園の敷地内にあるOlympia-Schwimmhalleに出かけさせた。
 欧州プール行脚の起点がそれだったので、日本と違う設備や守るべき掟など幾つかの事をその際初めて知った:

+水は結構冷たい(=27℃位だろうか。東洋人と欧州人の平均体温の差に関係していそう。)
+日本だと、水質の点検だといって30分おきくらいに全員水中から強制排除されるが、それがない(=ただの手抜きなのか。)
+屋外に芝生があり、夏は水から上がった人々が休憩兼日光浴のためその上をアシカのように転がっている(=その飾り気のなさが倭風の感覚からは遠い。日没帝国にはそういう習慣がないようだが何故だろう。)
+子供も安全に泳げるように膝ほどの浅い水位が15mほど続いた後に警告目的のワイヤーロープが張られている(=クロール中に このワイヤーに我知らずウエスタンラリアットを見舞い、腕に青アザが付くことがある。)
+その地点を越えて進むと、水底がなだらかに傾斜し 終いには数m以上の深さに達する(=あんな深さは日本では未体験だ。)
+プールサイドの水中壁面に並んで設置されたライトに照らされる暗い水底を見ながら泳いでいると、途中で宇宙を浮遊している気分になる(=USでもこの水中照明器具を見たが、日本では一般的でない気がする。)
+飛び込み専用プールに潜ってみると、四角い闇のように深い。しかも中で結婚式でもできそうなくらい広い(=招待状が届かない事を祈る。)

 ローマ人の末裔を名乗る元同僚Bにどこかに面白いプールはないかと尋ねたら、Volksbadに行けと勧められた。ドイツ博物館にほど近い、Gasteigというコンサートホールの坂道を下った所にあるそれは 100年ほど前に土地の豪商が建てたローマ風Spaのようなもので、"プール"と呼んでいいのか躊躇してしまう造りだった。
 実用性という点で現代プールに劣るかもしれないが 建築空間の優美さと各種の装飾に、泳ぐ事を忘れただ見とれてしまう。俺もついに皇帝にまで上り詰めたかと、ライオンの口から湧き出る水の重みを肩に感じながら、白壁の天井に施された太陽の浮き彫りの輪郭を追っていると、怪しい東洋人に注がれる監視員の視線が冷たい。

 やがて住居を決め生活が落ち着いてきた頃、市内のそこここに地域住民向けのプールがあるのを知った。品定めを兼ねてそれらをあちこちハシゴしてみたが、自宅から近いので、Bayern Muenchen HQの近くにあるGiesing-Harlaching Hallenbadに通う頻度が増えた。

 今日、その手の町民プールに相当するPutneyのスポーツ施設に行った。日没帝国にしてはロッカーの鍵が満足にかかるものが多いので余り文句は言わないでやろう。シャワーの水圧が弱いのも、ここだけに限らないので諦めてやろう。熱いお湯がでないのも、いまいましいが 気のせいだと思って忘れてやるよ。忘れりゃいいんだろ。
 ただ、サウナが有料なのはいただけない。ドイツや北欧に比べ冬の過酷さが桁違いに楽勝なので、サウナは生活の構成要素でなく一部の道楽者の為にある(=課税対象)と見ているのだろうか。

 いつものように見苦しく泳ぎ終え、着替えていると、口腔内に妙にケミカルな味が残るのに気づいた。邪推かもしれないがプールの水をポンプで循環・清浄をしているとはどうも思えない。
 人間の体表面から滲む種々の液体は土より出でて土に還るものなのでともかく、体や頭髪から洗い流された化学物質などを長い年月をかけて発酵酒のように取り込んだ帰結が この味 なのだろうか。
 見上げた着替え部屋の低い天井はアスベストに塗料を吹き付けたような白壁でできている。この国のことだから、スポーツセンタに健康維持に来て病気になっても決して変ではない。もう来るのよそうかな。

 初夏のこと。同僚Mの頬がこけているのに気付いたので、激務がたたったのかと尋ねると、トライアスロンのトレーニング量を増やしたせいだと嬉しそうに答えた。Officeの中に飽き足らずそんな過酷な分野にまで自己実現を求めるとは、ワーカホリックを通過してルネサンス野郎だ。種目ではSwimが最も得意なんだそうな。
 Mは今夏のLondonトライアスロンに出場し悪くない成績を収めたらしい。 巨大ドブ川に等しいテムズ川下流でSwimなんて、いくらなんでも気味悪くないかと訊くと、一瞬考えたあと、自分の育った街の川なのでそうでもないよと言う。あのさあ、強がりと冗談にも限度があるだろ。我田引水ナルシシズムは仕事上のことだけにしてくれよ。

 毎日昼時になるとOfficeの外を1時間程度走るVはアスリート系の話に感度が高い。Mのテムズ川コメントを呆れ顔で伝えると、関連事例がこぼれ出る。
「ドーバー海峡横断のような、世界の海・湖沼・川をレースする強者女性スイマーが、ただ一つナイル川のレースだけはリタイヤしたそうだ。理由は簡単、犬の屍骸だとかその他もろもろ訳の判らないもんが浮いてて悪臭がするし、そりゃあ耐えられなかったんだってさ。でもガンジス川は泳ぎ切ったとかって言ってたっけなあ。」
 聖なる川のご利益があったかどうかは知らないが、何が彼らをそうさせるのか。これじゃあまるで宗教だ。そのうち有害物質の体内蓄積が過ぎて我知らず殉教しちまうぞ。

 南ドイツでも何処でも、上級者の回遊レーンには筋骨隆々のスイマーは勿論、颯爽とした女性スイマー達がいるものだ。餌が獲れずに疲れ果てたラッコのように壁際に浮かびアゴを出している自分を侮蔑する素振りもみせず、水面を淡々と往復する彼女達の姿は神々しいばかりだ。
やれやれ、Mが殉教の道を選ぶなら、俺は生臭坊主の道を選ぶとするか。お互い、尊い仏の道で精進しような。



*** 補足 ***

Olympia-Schwimmhalle
懐かしきミュンヘン五輪オリンピック公園の中にあるプール。

Volksbad
自称ローマ人の末裔Bご推薦の市民プール。

ミュンヘン市の地域住民向けプール一覧

 









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Last updated  2005.09.28 09:46:40
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