ぐま日記＠DC浦島生活。

　私のPCには硬軟織り交ぜておびただしい数のサイトがブックマークされており、時間が許すかぎり毎日チェックするようにしている。例えば海外にいると疎くなりがちな日本の報道を得るべく、日本の各新聞社のサイトや動画ニュースなどを毎日見ることは業務上必須である。その中には当然日経新聞のサイトも含まれるが、もう一つ類似品（？）として、時間がなくても毎日のチェックを決して欠かさないサイトがある。名付けてにっけいしんぶん新聞。ブログである。

　ブログ内で「記者」と称していらっしゃる筆者の肩書きは、株式市場参加者兼機関ファンドマネジャー。日経新聞の一面・三面記事、ベタ記事、広告等をピックアップして、マーケットに精通する人独特の鋭い視点で斬っていらっしゃる。これ自体も大変分かりやすくかつ示唆に富むので読む価値大なのだが、このブログにはそれ以外に恐るべきキラーコンテンツがある。その名も「今日の愛ルケ」。

　「愛ルケ」とは、日経新聞最終面（文化面）に連載されている渡辺淳一氏の小説「愛の流刑地」の略。渡辺淳一氏と日経の取り合わせと言えば、１０年ほど前に一世を風靡した「失楽園」がすぐ思い出されるが、今回の「愛ルケ」もその路線を見事に踏襲している。既婚の中年作家が古風で貞淑な人妻と恋に落ち、彼女は今まで知らなかっためくるめく性のファンタジーワールドに目覚め、「性のエリート」たるこの男の虜になっていく（自分で書いてて恥ずかしい（笑））、というまさに「おやぢファンタジー」の世界。性描写も激しい。スポーツ新聞でも躊躇しそうなこんな内容を日経に載せるか？ってくらい。私もずっと日経本紙のこの小説をギャグとして笑いながら流し読みしていたが、この「今日の愛ルケ」は、もう１年以上にわたり、この小説の虫のよいストーリー展開、矛盾点、過激な性描写等に小気味よく突っ込みを入れまくっている。私がこのサイトを発見したのはつい数ヶ月前であるが、余りの面白さにバックナンバーを一気に徹夜して読んだ。

　これを書いている「記者」さんは、内容から察するにおそらく年の頃は３０代前半から半ばというところであろうか。広範な知識・趣味をお持ちのようであり、記憶力も半端でなく良い。本業でもかなり仕事のできる方と見た。ぜひご一読あれ。でも現時点でこの「今日の愛ルケ」、４００回分以上のバックナンバーがあるから、読み始めると２日くらい徹夜することになるかもしれませんのでご注意を。