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ぐま日記@DC浦島生活。

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2006年01月23日
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カテゴリ:ちと硬派
 このブログを開始する契機となった今回の一時帰国は、実は出張でもあった。私の所属する国際機関のアフリカ担当幹部が訪日し、日本の当局者と会議を行うのに随行したのである。

 開発援助の世界では、昨年来「アフリカの年」が続いていると言っても過言ではない。昨年夏に英国を議長国として開催されたG8サミットの大きな柱はアフリカ支援であったし、G8を超えたバイ・マルチの援助の枠組みにおいてもアフリカは常に議論の中心であり続けている。我が機関においても、アフリカ支援のための行動計画が策定され、また主にアフリカを中心とする重債務貧困国の債務削減の枠組みも作られつつある。2015年の貧困撲滅を目指す「ミレニアム開発目標」の達成に最も遠いと言われているのはアフリカであることに鑑み、国際機関や各国が総力を挙げてアフリカを重点的に支援するという確固たる流れが出来ている。

 日本も先般、今後3年間でアフリカ向けODAを倍増するとの方針を打ち出したし、アフリカが日本に対して負っている債務の削減も約束した。削減額、すなわち棒引きする借金の額はおそらくどの先進国よりも多くなる。

 他方で私は、時に以下のような問いかけを受けることがある。

 「日本がアフリカに対して、欧米にも負けず劣らずの巨額の支援をする意味は何か?地理的に近いわけでもないし、昔この地域を日本が植民地化したということもない。欧米がアフリカを重視するのはその地理的・歴史的経緯から理解できるが、日本が重視すべき地域は他にあるのではないか?」

 例えば日本の援助がアジアに向かうことを説明するのは簡単である。そもそも日本はアジアの一部であるし、地理・政治・経済どの切り口から見てもこの地域の発展は我が国の国益にかなう。更に人によっては「過去の行いへの反省」という論点も付加される。中南米支援については、移民等を通じた我が国との歴史的近接性や、将来のビジネスパートナーとしての潜在力をもって説明できるであろうし、中東支援についてはエネルギーの文脈でその重要性が語られることが多い。ではアフリカは?私の頭の中で以下のような声が行き来する。

「この地域の貧困は特に深刻なのだ。だから人道的見地から重点的に支援せねば。」→「日本国内にだって深刻な人々はいるではないか。年間3万人以上が自殺しているのだぞ。」
「ODAはいわば『ご近所付き合い費』。経済大国として、各地域にそれ相応の貢献が必要だ。」→「それは一種のばらまき?そういうのが批判を浴びたのではないの?」
「国連においてアフリカは大事な票田。日本の常任理事国入りに賛成票を投じて貰うには援助は強力な武器だ。」→「うわ~説得力ある。でも本件とりあえず仕切り直しですよね。これからどうすんの?」

 まあこういうのは殆ど「議論のための議論」だ。実際にはいろんな論点を総合的に勘案して国策の方向性が決まっていくということなのだろう。私の知人に、エチオピアで教育開発(特に女子教育の普及)に尽力している方がいるが、もしかしたら彼女からは、「理屈こねてないで、まずは現状を一目見て下さい!そしたら『援助する意味』なんて悠長なこと言ってられませんから!」と叱られるかもしれないな。実際にそう言われたわけじゃないけど。

 ワシントンに来て2年半、これは私の中でぐるぐる回っているテーマだ。ということで「ちと硬派」第2弾、忌憚のないご意見を頂けると嬉しいっす。





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最終更新日  2006年01月24日 05時52分49秒
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