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カテゴリ:徒然
東京で買いまくってきた本を感動しながら日々読んでいる。その中で、息子を持つ父として大変興味深く読んだのは以下の2冊。
まず、石原慎太郎都知事の「息子たちと私」。石原閣下には4人の息子さんがおり、そのうち2人は政治家、1人は俳優・気象予報士、1人は画家である。作家・政治家を父に持ち、国民的大スターを叔父に持つ家庭の子供がいかに成長し、社会の第一線で活躍すべく人生の選択をして行ったかが、父親の視点から語られている。 石原氏にとってもやはり「1人目の子」というのは特別かつ手探りでの育児だったらしく、お父さん自らだっこして赤ちゃんをあやした記憶は長男についてしかないそうだ。また、長男を病院に連れて行った帰りに彼が軽い呼吸困難に陥った際に、お父さんは我を忘れて彼を小脇に抱え病院に駆け戻り、患者がいるのも無視して診察室に飛び込み医者に食ってかかり、あとであれはやり過ぎだったかなと照れたりしている。かの大先輩のこうした微笑ましい逸話を見るにつけ、ああ親の情というのは普遍的なものであるなあ、とグッときてしまう。 息子4人の個性を鋭く把握し、慈愛で包み込みつつも、決して「個性と自由意思を尊重」するのみではない、時には強権的な力を発動してでも軌道修正を図る子育て。自分に自信がなければ出来ない技である。そうしたエピソードが鮮明に、時にはおぼろげな記憶の中で綴られている。 もう一冊は、西原理恵子さんの「ああ息子」。新聞連載から派生した本だ。 こちらは逆に「母親から見た息子」がテーマ。平たく言うと、「どうして男の子ってこんなに理解不能(=バカ)なの?信じらんない!」というお母さんたちの悲鳴にも近い、というか悲鳴そのものの投書が満載である。虫好き、クルマ好き、巨乳好き。平気で泥に飛び込む、道路に飛び込む、空を飛ぼうとする。この本を読んでいると、男の子が無事に成人するというのは奇跡なのではないかとすら思えてくる。実際に我が身を振り返ってみても、小学校・中学校あたりでは、女子に比べて男子(自分)は圧倒的にガキでバカだった。いや、大人になってもそうかもしれん(笑)。 サイバラ本との出会いは、遡ること十数年前の「恨ミシュラン」。それ以来彼女の本はギャンブルもの、探検もの、勉強もの(清水義範とのコンビのやつ)、シリアスものを問わず殆ど読んでるが、一男一女の母となり、子育てものを書き始めてから芸風が変わった気がする。その昔は、レストランにいる子供にも並々ならぬ敵意を見せていた彼女であるが、今は子供(特に背中)に注ぐ視線が半端でなくあたたかい。ちなみに私はこの本のラストを飾る60歳のお母さんのエピソードが一番好きだ。 早く続編出ないかな。近々出るであろう「ああ娘」も楽しみだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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