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カテゴリ:ちと硬派
私の良き友人で若手研究者のホープ・N君が、私のとは対照的な硬派なブログをやっていることが判明。そのある日の記事に、DCの日本人コミュニティは4つのカテゴリーに分かれるとある。すなわち外交・政策調査系、NIH(国立衛生研究所)系、開発・国際金融系、留学生系。確かにその通り。ちなみにマスコミの方々は第一カテゴリーかな。
この各々のグループに属する人が、お互い知見と人脈を広げるべく、日々勉強会等を通じてネットワーキングを繰り広げているのがDCであります。NYには遠く及びませんがけっこう巨大コミュニティだと思う。 この第4カテゴリーに属する人々、すなわち留学生の方々から最近よく相談を受ける。圧倒的多数が進路の相談。まあ今の時期に就職活動して5~6月に卒業&就職ってのがこっちの大学院の定型パターンですから、おのずとこの時期の主要トピックになります。 DCは政治の街だが、留学生がみな政治学や国際関係論やってるわけではない。MBAも経済学もロースクールもいる。たまに文学・芸術系の人も。そして恐ろしいことに、DCはそうした多岐にわたるバックグラウンドを持つ人々の受け皿機関が結構あるのだ。そりゃそうです。大学や政府機関、議会、国際機関、シンクタンク、ローファーム、コンサルティングファーム、ロビイングオフィス、金融機関やメーカーと百花繚乱ですから。これはある意味うらやましい。 ところで、これは私自身の留学経験に照らしても言えることだが、アメリカでの勉強・就職って、日本が伝統的に「フェアではない」として否定してきた思想が依然大手を振って歩いているように思える。例えばこんなの。 通知表主義。各学科の成績(A~D)を数値化して平均値をとり、それがその人の就職市場における「価値」を示す指標になる。0.1ポイントの違いが時には雲泥の差。「通知表・偏差値だけでその人を判断するなんて!」という思想が根強い日本から見ると冷徹なまでの数値偏重に見える。 コネ。人によっては「ワシントン(アメリカ)なんてコネだけで回ってる」とまで言う人もいる。どれだけポケットの深い人と知り合って、いざという時にその人のポケットから自分が欲しいものを出してもらうか。そうした処世術がここでは決して否定されてないようにも確かに見える。 コスト。州立大とかの特殊事例を除けば、アメリカの大学の学費って異様に高い。日本の私大なんてちゃんちゃらおかしいですよ。そこには「学ぶことは権利である」などというナイーブな思想は微塵もなく、一定の経済力のある者が莫大な(機会)費用を投じて己の付加価値を増し、将来それを回収する、という「投資」の観念が徹底している。もちろん奨学金制度や学費免除といった救済措置はある程度充実してますけどね。 日米どっちの制度が良いのかは一概には言えないと思う。しかしこうした制度の下でアメリカが世界から優秀な学生を吸引し、彼らが文字通り「必死で」勉強してることも確か。皆さんどう思われるでしょう?まあかなりデフォルメして書きましたけど、忌憚のないコメント歓迎す。 ただ一つ言えること。今の学生さんは選択肢も情報も豊富でうらやましいな。ましてや百花繚乱のワシントンDC、悔いなく泳ぎ回って納得いく進路選択をして欲しいっす。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年02月17日 08時59分43秒
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