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ぐま日記@DC浦島生活。

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2006年03月05日
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カテゴリ:ちと硬派
 「日本という国には、真の友人がいないのではないか」・・・昔から事あるごとに指摘されてきた点である。

 実際はどうか。例えば台湾(厳密には国ではないが)の親日は有名だ。ある知人の中国専門家から、台湾では少なからぬ高齢者が「自分たちはここから天皇陛下のご健勝を祈ることしかできないが、日本に住む同胞にはぜひ陛下を支え守って欲しい」と思っている、という話を聞いたことがある。

 もう一つ、中央アジア。日本に強い憧れと親しみを持っている国がこの地域に多いということは聞いていたが、実際のところどうなのか、ということをくっきりと理解させてくれる本に出会った。中山恭子氏の「ウズベキスタンの桜」。

uzbek

 中山氏は、最近まで内閣参与として北朝鮮拉致問題を担当され、今や日本中に知らぬ者はないが、前職はウズベキスタン(兼タジキスタン)特命全権大使である。本書には、現地に滞在された3年間が、暮らし、経済、日本との交流、更には在任中に起きたキルギス日本人人質事件、テロ対策といった幅広い視点から綴られている。

 この国がなぜ日本に親しみを持っているのか。もちろんいろんな要因がある。その中で特にリアルに私の心に響くのは、先の戦争で捕虜となりソ連時代のこの地に送られてきた日本人の姿である。以下のようなエピソードが紹介されている。

 首都タシケントにあるナヴォイ劇場。その建設に携わった日本人捕虜たちの勤勉かつ統率された作業ぶりは人々に感銘を与えた。後にこの地を大地震が襲ったとき、周りの建物は全て崩壊したが、このナヴォイ劇場だけはびくともせずに残った。この建物は現在でも日ウ文化交流行事の重要な拠点となっている。

 ちなみにこの劇場には当初、「日本人捕虜が完成に貢献した」旨のプレートが埋め込まれていたが、カリモフ大統領が「ウズベキスタンは日本と戦ったこともないし、日本人を捕虜にしたこともない」として、プレートを「日本国民が。。」と書き換えさせた。

 ベカバードという地にある水力発電所と運河。これも日本人捕虜たちにより建設された。以前に風速50メートルを超える突風が吹き周りの建物が全て壊れたときもびくともせず、55年間にわたり一日も休まず電力を供給し続けている。

 ある日本人捕虜は、赤ちゃんを背負って仕事をしている女性を見かけ、その人のためにゆりかごを作ってあげた。また別の人は、夫婦の似顔絵を描いてあげ、それは今に至るまでその家に受け継がれている。。。。

 こうした日本人の姿を見た人々は、「日本人とは、日本とは何と素晴らしいのだろう。ああいう人たちのいる国のことなら何でも知りたい、ああなりたい」と思い、それが子孫に語り継がれているのだそうだ。

 日本人捕虜たちの多くは、祖国を思いながらこの地で亡くなった。彼らが眠る日本人墓地を修復すべく関係者の協力を得て奔走し、また友好の証として墓地や街中に1400本の桜を植えるという下りは圧巻で、目頭を熱くせずして読むことが出来ない。

 外交の車の両輪は、腕力(軍事)とカネ(経済協力)であるとよく言われる。日本人捕虜の人たちが黙々とその仕事振りを見せることで勝ち取った信頼は、そのどちらによって得られたものでもない。しかし何にも劣らぬ最強の成果である。

 それはそうだ。「あの国は腕力あるから」とか「金持ちだから」といった損得勘定による友好ではなく、理屈を超えたところでの「あの国はすごい、あの国が好き」なのだから。これは強い。

 ちなみにウズベキスタンは、十年以上前から「日本は国連安保理の常任理事国になるべきである」と声高に言い続けてきた国である。

 もちろん戦後の日本の官民問わぬ外交努力、更には日本のODAがこの国の親日感に貢献していることは言を待たない。私が強く思うのは、そうした複合的な要因(いくつかは極めて特異な環境下で作用した要因)により築き上げられた「理屈を超えた」関係こそ大事にしていかなければならない、ということである。

 私は恥ずかしながらまだこの国に行ったことがない。いずれこの目で見て来たい、と強く思う。

 ちなみにこの本、単なる「3年間の思いを綴ったエッセイ」ではない。豊富なデータと分析に裏打ちされた骨太の書であります。巻末の参考文献の多さにも驚かされます。





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最終更新日  2006年03月06日 06時20分08秒
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