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カテゴリ:ちと硬派
やりましたねニッポン。奇跡のようなnarrow pathを抜け、野球世界王者に輝いてしまいました。素晴らしい!
松坂のピッチングを久々に見ましたが、やっぱしただ者ではない。本人も熱望してるんだし早くメジャーに行かせてあげればいいのに、と皆に思わせる気迫のピッチングでしたね。 でもやっぱ昨日もイチローだったな。ホームラン浴びて1点差に迫られた9回、この人の執念のヒットでもぎ取った追加点がその後の突き放しの契機でしたもんね。画面にアップで映る表情、あんた本当の侍だよ。。 ちなみにこの試合、開始が少し遅れましたね。日本では理由が説明されましたでしょうか?この試合の直前までESPNでやってたのが「NCAAバスケ:ミシガン大vsノートルダム大」だったんですが、実はこの試合が延長で長引いたため、WBCの中継に入れなかったのですよ。テレビ放映の事情で試合開始時間までずらしてしまうアメリカ、恐るべし。 しかし、キューバも凄いチームでした。パワー炸裂。体格も超立派。打球もいちいち弾丸のようでしたね。さすが世界最強のアマチュア。。。 そう、彼らは「アマチュア」なんです。 「イチロー@マリナーズ」とか「松坂@ライオンズ」とか紹介される中で、キューバ選手はみな地元チーム所属。現在も強固に社会主義体制を堅持し、米国と国交がないばかりか経済制裁さえ受けているこの国の選手の活躍の場は、国内のアマチュアリーグ。 聞くところでは、世界レベルで見たら超一流の彼ら「アマチュア選手」の年収は数百万円だそうな。そういえば数年前に中日に合法的にレンタルされた「キューバの至宝」リナレス選手の年俸もそんな感じでした。 メジャーに来ればその数百倍の価値を生むであろう実力。しかし彼らがそうしたマーケットに出るには、基本的に亡命しか手はありません。祖国や家族を捨てることになります。実際に「祖国を捨てた」キューバ人メジャーリーガーはいますが、今回の代表チームに1人も入れてもらえません。 国交を断絶してるとはいえ、目と鼻の先にあるアメリカ。そこでどんな野球が展開されているかはキューバ人も知ってます。「カネか祖国か」の究極の選択を迫られるのが、この国のスター選手たちなのでしょう。 しかし、考えようによっては、祖国にとどまる選手たちは、殆どの国が毒されてしまった拝金主義を否定し、国家のため、家族のため、自国のファンのためという崇高なモチベーションのもと日々鍛錬していると考えることもできましょう。某クレジットカードのキャッチコピーではありませんが、「お金で買えない価値がある」ことを体現しているって感じ。 だけど、そうした「祖国論」を度外視した単純な経済政策として、このキューバの「宝の山」を輸出する手はないのかなあ。かなり有効な外貨獲得策になると思うんだけど。カストロ議長もそこまでは考えないのかな。指導者として隣国の事情に無関心でいられるはずはないので、メジャーリーグの動向だって知らないわけないし。北朝鮮の指導者が「男はつらいよ」の大ファンなのと同じ。 と、キューバのパワフル野球を見て、単純な資本主義の論理で説明できない世界がまだ地上にはあるのだよなあ、と痛感した次第であります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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