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2006年05月08日
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カテゴリ:ちと硬派
 さて、先日「つづく」と引っ張りましたアメリカ歴史博物館。この国には輝かしい「正の歴史」とそうでもない「負の歴史」があるわけで、そういうのがどんな感じでミックスして展示されてんのかな~、というところに私は興味津々だったのであります。というわけでレポートです。

 最上階の一番いい場所は、"The American Presidency"のコーナー。これはもう「正の歴史」の最たるもんですな。いろいろと派手なものが展示されてます。かつて大統領就任式で用いられた馬車とか、国のリーダーとしてのいろいろなアイテムとか。

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 更には大統領のプライベートライフと称して、私物も展示。真ん中はクリントンのサックス。

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 やはりアメリカの栄光の象徴は大統領なのですね~。このコーナーは面積も巨大ですし、別途同じくらい大きい"First Ladies"のコーナーもあったりして、なかなか興味深いです。

 他には、「マサチューセッツ州にあったこの家は、1760年から200年間以上にわたって維持され、使われてきました!」という触れ込みで、家そのものがどっかりと鎮座している、といった素朴な展示も。200年か。横に法隆寺でも置いてやろうかい(笑)。

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 そして、アメリカの歴史と切っても切れないのは戦争。そのうち「正の歴史」と言ってもよい第二次大戦については展示も大きくて派手です。当時のニュース映像やら「祈武運長久」と書かれた日章旗の寄せ書きやらかぎ十字やら。そして戦時協力を鼓舞するこんなポスターも満載。

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 "Free the World"か。昔も今もこの国の基本的ロジックは変わりませんなあ。

 しかし同じ戦争でも、「負の歴史」の方に入るベトナム戦争については、小さな一室にこぢんまりと展示。ふ~む。

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 さて、もう一つの「負の歴史」、奴隷制とか人種差別とかは展示されてるのかなあ。あ、あった。

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 案外あっさりしてますね。奥にあるのは奴隷の女の子の人形。これに続いて奴隷解放の展示もあります。

 そしてそして、玄関真横ではど~んと特別展やってましたよ。題して"Separate is not equal"。かつて行われてきた、学校での白人と黒人の隔離政策の現状と、1954年に最高裁でこれを違憲とする判決が出るまでの軌跡。

 まず目を引くのは、「白人用の教室」と「黒人用の教室」の展示。どっちがどっちかは一目瞭然。当時の教育予算のうち黒人学校に充てられていたのは1割だそうです。

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 そしてその後の権利獲得運動の流れが、いろいろな形で展示されてます。当時のこんな看板が私にはインパクト強かったですね。上は「有色人種は後回し」、下は「黒んぼ入浴禁止」。

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 「正」と「負」の展示バランスに若干の??を感じますが、まあ一定のフェアネスは感じられるという博物館ですな。「強者の立場からの政治的メッセージ」みたいなものも少し感じましたけどね。たっっぷり時間かけて見るとよい博物館です。





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最終更新日  2006年05月09日 01時55分00秒
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