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カテゴリ:ちと硬派
6月に入り我が家の芝生も青々。アプローチの練習をしたくなるほどの緑っぷり(?)であります。
さて最近飲み食いネタがやけに多いので、たまには「ちと硬派」で行ってみましょうかと。 私はワシントンでいろんな勉強会に所属してますが、そのうち恐らく最大規模であろうとあるフォーラムで、帰国前に何かしゃべって欲しいとのお話をいただき、昨日プレゼンしてきました。 テーマはまあ、「私が所属するグローバル機関の援助業務」とその参加主体である「日本という国の国益」との関係、といった感じ。以下のような問題提起と私見を話させていただきました。 1.グローバルな世界を見据えた開発援助機関の業務において、個別の国の利益であるところの「国益」なるものの入り込む余地はあるのだろうか。 →あるんじゃないっすか。 2.「開発援助」という分野と、外交のもう一つの柱である「軍事・安全保障」という分野は、お互いに独立・相互不干渉みたいな形で成り立つのだろうか。 →成り立たないんじゃないっすか。両者は密接不可分。特に90年代以降。テロ以降は更に。また、外交の第3の柱「ソフトパワー」も大いに活用の余地あり。 3.そうした状況の下、グローバル国際機関において日本の国益を発現するには、今後どのような方策が効果的だろうか。 →金銭的貢献を増やす、人的貢献を増やす、知的貢献を増やす、等々の方策があり得ましょうが、どれが効果的かは一概には言えないっす。まあいずれにしても、上記1や2の視点を持ち続けることはとても重要。 こうやって思いっきり要約すると、何のこっちゃ、って感じかもしれませんが、実は今回のプレゼンのエッセンスは、このブログに散りばめられてるんですよね。国際機関と外交力とか、日本とアフリカとか、ソフトパワーとか、はたまたアフリカ珍道中とか、その他もろもろ。つらつらと書き連ねてきた「ちと硬派」ネタを元にしてのお話でありました。こまめに書いといてよかった(笑)。 会合は比較的盛況で、開発業務関係者や研究者、学生さん、ビジネスマン、マスコミと多岐にわたる方々と、いろいろ興味深い議論を行うことができました。 このブログでも繰り返し書いてますが、援助を語る際の永遠のテーマは、「何のための、誰のための援助か?」ってことなんでしょうね。「いま現に苦しんでいる貧しい人々をほっとけないだろう。国益だの安全保障だのといった不純な概念を持ち込むな」という考え方と、「そうは言っても援助と安保は無関係ではないだろう。それにその原資(=税金)を出してくれている国民のことを考えんでどうする」という考え方との間の綱引きなのではないかと思います。 プレゼンの後は、いろいろな立場の方々から、いろいろな意見が出され、私としてはとても刺激的で楽しい議論でした。 そうした議論を通じて私が痛烈に感じたのは、皆さんやはりこの異郷の地で「国益」というものを強く意識していらっしゃるということ。まあそういうテーマが設定されたフォーラムだったから、というのもありましょうが、日の丸を背負ってるという意識の下でお仕事や勉強をされている方がたくさんいらっしゃることをとても頼もしく思いました。 ワシントンというのは様々な問題意識をぶつけ合って議論をする土壌が見事に揃っている地であり、またこのインターネットの時代、更に世界中の方々と意見交換するインフラも整ってて、実際にこの地ではそれが見事に活用されてます。いや~幸せな時代に生きておるわい、と改めて感じでしまう今日この頃でございます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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