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カテゴリ:ちと硬派
読書感想文その2であります。今度は日本人論。
これ、最近のはやりですね。内外情勢のもろもろが契機となって、「日本人は自虐史観から脱け出し、自分の国に誇りを持ってその潜在力を引き出すべし」という論調が、いろんな著作や論壇で盛んに登場してます。 例えば藤原正彦氏は「国家の品格」、御手洗冨士夫氏は「強いニッポン」、そして我が国総理は「美しい国」というキーワードでこれを表現されてますが、今回、その流れで興味深い本を読みました。 それは、中西輝政著「日本人としてこれだけは知っておきたいこと」。 中西氏と言えば、私の中では岡崎久彦氏や櫻井よしこ氏と並ぶ「硬派」の論客と位置づけられている京大の先生ですが、この本はもう徹頭徹尾「日本人よ、自虐史観の呪縛から自らを解き放て!自信を持て!」という明快なメッセージ。 構成としては、日本人による自画像は戦後占領政策の下で大きく歪められた、という点をまず総論的に指摘した後、各論として、「あの戦争」「天皇」「日本文明」の3つを取り上げて各々の正当性を説いて行きます。 もう、「日本人が近隣諸国に好き勝手にあしらわれているのが我慢ならん!」というエネルギーに充ち満ちている感じ。欧米・アジア諸国に対する各種攻撃も容赦なし。 思うにこの本、「日本人としての己の立ち位置」を再確認するのにとても有効なのではないでしょうか。 この本を読んだ方の読後感は、雑ぱくに分けると以下のようになると思うのですよね。んで、自分がどれに当てはまるかで結構正確に己の立ち位置を測れると思うのですよ。 1.全くその通り!良くぞ言ってくれた! 2.言ってることはかなりその通りだと思う。でも明らかに同意できないとこもありますね。。 3.まあこういう考え方をする人もいるんでしょうね~。私とは違うけど。 4.何やら自国賛美のニュアンスが強すぎないか?違和感あるなあ。。 5.何という軍国思想!日本をいつか来た道に回帰させるようなこんな考えは許せない!危険だ! ちなみに愛国者の私は2。綿密な検証に裏付けられた内容にはすっごく共感。 だけど、ところどころ「んん~?」と思う記述が出てくるのですよね。。大東亜戦争を「民族の一大叙事詩」と呼んでみたり、天皇制との比較において他国の王室を「成り上がり」「押し付け」とか言ってみたり、せっかくいいこと書いてあるのにこの辺の過激な表現はとても惜しい。。 でも、「日本人『だけ』が異質なんだ。過去にひどいことをしたんだ」という一部思想に違和感を持ち続けてきた私としては、自分の国の良いところ、優れているところをしっかり自覚するということは、他国を無用に卑下しないことに細心の注意を払う限りにおいては、とても有益なことだと思いやす。 その意味でこの本はとても考えさせる良い材料を提供してくれます。そしてまた、新書版で読みやすいですから、ぜひぜひ読んでみて下さい。そして読後感が何番だったか、教えて下さ~い! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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