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カテゴリ:徒然
周防正行監督の最新作、「それでもボクはやってない」。痴漢冤罪をテーマにした法廷モノとでもいいましょうか。先日見てまいりました。
感想。いや~、ほとんどホラーだわこれ。 ストーリーは、満員電車で痴漢の疑いをかけられた青年が、警察、検察の取り調べを経て裁判で争うまでの苦難の道。そして判決は!って感じ。 この映画の(男にとっての)何よりの恐怖感は、「ああ、日常で誰にでも降りかかる可能性があるのだなあ」と心の底から思わせるリアルさ。監督はすっごく取材したのでしょう。裁判の傍聴もたくさんしたに違いない。 そして、痴漢犯罪に関しては無罪推定はなく、やってないことを証明するいわゆる「悪魔の証明」が必要になるのだなあ、という強烈なメッセージも投げかけております。 また、裁判に出てくるいろんな証人の、思い込みによる証言内容のバイアスがまた怖い。ウソは言ってないけど取りようによって白と黒ほど違うニュアンスになる。こういうことってあり得るよなあ。。 出てくる公権力もまた怖い。警察、検察の脅しすかしも怖いし、裁判官の淡々とした、そして荒っぽい「処理」も怖い。裁判の迅速化とか裁判員制度の導入ってリスクないの??とか痛烈に思わされますね。 この映画では冤罪をかけられる独身フリーター君は、弁護士や熱い支援者のサポートを受け戦っていきます。そこがまだ救いと言えば救い。これが妻子持ちのサラリーマンで、職も失って孤独の戦い、みたいな構図だったら、もう悲惨極まりない。でもそういう実話あるよねえ。。 あと、こういう法廷モノを見ると、裁判ってホント検察(原告)と弁護人(被告)のパフォーマンス合戦なんだなあ、と思わされます。以前の日記でRunaway Juryのことを書きましたが、これは陪審員へのパフォーマンス合戦。映画Chicagoでもリチャードギア扮する弁護士が「裁判はサーカスなんだ」と言い放ってたな。 いやホントぜひ見て下さい。「13日の金曜日」を見るとトイレに行けなくなるように、これを見ると人混みに行けなくなりますよ。わたしゃこれ見た後の混み合ったエレベーターからしてすげ~怖かったもの。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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