東京観劇1泊ツアー その5
12時開演のため、ちょっとだけ何か食べておきたくてたまたま通った東京国際フォーラムでやっていた長野県の産直市みたいなイベントで串団子を買って食べたあと、いよいよ帝国劇場へ向かう。1泊ツアー最終日の観劇は、初となる、『ミス・サイゴン』ベトナム戦争時代の、アメリカ兵と娼婦として働くベトナム人少女の間の叶わぬ恋。戦争中だからこそ、二人は自分たちの恋が叶わぬものだなんて思わない。でも結局はいろんな偶然と必然が重なって二人の運命は噛み合わないまま、時が残酷に流れていく。全般に、悲劇。ずっと観たいと思っていた演目だったけど近場での上演はなかなか実現されず今回東京へ行くとなったときに観るならこれだと思った。元アイドルと言っていいのだろうか、ソニンさんのキム役にも興味はあったし。ちょうどソニンさんが出る回のチケットも取れた(笑)で、そのソニンさん。うまいんですよ、うん。スタイルもいいし。歌もうまい。だけど、息づかいがちょっと苦しげ過ぎるっていうか…。演技で苦しげに歌ったり、息を荒めにしたりというのはもちろんあるけどなんか全体にフガフガいってるように聞こえちゃって。声量はあるし、低音もしっかり出てるんだけどその分高音がいまいちかな。相手のクリス役、藤岡正明さん。う~ん、正直、存在感薄かったです。ごめんなさい。出番は主役級の割にはそう多くないのである意味仕方ないけどそれにしても存在感薄かった。歌も、演技も、良くも悪くも普通。悪く言えば、藤岡さんのこの役はいなくても劇は回ったかも。(例えばキムのひとり芝居的なものも成立しそうな。)それから、エンジニア・筧利夫さん。この方も楽しみにしてたんだけどさすがに舞台慣れしているのはよくわかった。アドリブ的な言動もちょこちょこ見られたし。声もよく通る。ただ、いかんせん歌が…。役者さんであれだけ歌えたら普通にうまいけどミュージカルであの歌唱力ではやや不十分かなぁ。まあこの役はあまりにも歌うますぎても説得力に欠けるかもしれない。キャラクター勝負ってとこもあるので、その点ではありはありかな。あと、全体的に、歌詞が全然聞き取れない!!どの人もそうなんだよなぁ…。誰かの歌に、違う人が違うメロディで歌をかぶせてくる場面がけっこうあって。ポリフォニーってヤツ???Aさんの歌詞もBさんの歌詞もどっちも聞き取れないから全然意味わかんない^^;そして一つの音に歌詞たくさん当てすぎ!!これらが東宝ミュージカルのおそろしいところだ…。この演目、悪くはなかったしひどくもなかったんだけど周りの観客がすすり泣く中まったく泣けなかったあたし…。特にオチもないし(悲劇なので当然か)何の救いもなくドラマが終了するせいかいまいちガッツリ感情移入するまでいかなかったなぁ。帰りに品川駅でソフトクリームを食べようと思ったら「機械の故障で今できないんですよぉー」と言われたが、最後の最後までスッキリしない感じだったなぁ(笑)