テーマ:お勧めの本(7360)
カテゴリ:お勧めの本
蝉の声を聞いていると、この本が無性に読みたくなって、ついに図書館に探しに行ってしまいました。1928年の夏の話。これをレイ・ブラッドベリは1957年に出版して、日本では1971年に晶文社の「文学のおくりもの」というシリーズの第一期全7巻の中の1巻目として出版されています。そして、私がこの本を初めて読んだのは、中学か高校のころだったので、1980年頃のようです。 夏が来て、やかましい蝉の声を聞くたびに思い出す「たんぽぽのお酒」。 どうして蝉で思い出すかというと、 「15秒ごとに蝉がぶんぶんいう回数を計って、それから39足すと、ちょうどそのときの温度がわかるのさ」というようなシーンがあって、華氏87度とか92度とか、そんな暑そーな数字が並んでいて、妙に印象に残っているのです。耳一杯の蝉の声を聞くと、どうしても思い出してしまいます。 小説全体が夏の香りに満ち満ちていて、どうしてこんなに上手に、夏の初めの期待に満ちた幸せな気持ちとか、そのほかのさまざまなふとした一瞬の繊細な気持ちを捉えているのだろうと、読み直して、改めて感心・感動してしまいました。 どこか懐かしくて、幸せな気持ちで胸が一杯になる素敵な本です。 主人公は、「僕は生きている!!」ということを発見した後に、「僕もいつか死ぬに違いない」ということを発見するのですが、そんな当たり前のことが当たり前でなかった少年時代(少女時代)が懐かしいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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