クリント・イーストウッド監督の作品。
二部構成となってる作品の第一部「父親たちの星条旗」が、先月28日から上映され 早速 今夜見に行った。
感想を どう述べていいのか悩みますが。。。
良い映画だったと思う反面、「ん~?」ってところもあるし。
要所 要所を掻い摘んで言うと、米軍が硫黄島に上陸し 戦闘が始る。
その戦闘シーンはリアリティがあったし 迫力があった。
広大な海に何十艘という戦艦や巡洋艦などが停泊してるシーン等は何とも言えない威圧感がある。
戦時中 硫黄島で あの光景を実際に目にした日本兵の心境などを察しる事が出来た気がした。
事実、俺の故郷の呉にある海上自衛隊にも潜水艦があって、幼い頃 何度か見に行った事があるけど、あの不気味さは鳥肌が立つもんねぇ。
内容は悪くなかったと思うんだけど、見終わってみて なんか気持ちに靄がかかった感じ。
先ず、米軍の小隊が前進してって、日本軍との撃ち合いなんかは、何故か必ずやられるのは日本兵。
見ていて「そんな分けねーだろ!」って突っ込みたくなったよ。
幾らなんでも、小隊の一人 二人は撃たれるだろ!って。
まぁ、この映画は当然 母国アメリカでも上映されたんでしょうから、その設定の方が当たり障りなかったのかもしれませんが。
硫黄島というのは とても小さな島。
左端の方に山があるんだけど、その山の頂上に米軍が星条旗を立てる。
その星条旗を掲げた人達がHero扱いされ、その苦悩と戦地で戦ったこと、色んな部分がコラージュされて描かれた作品。
そのHero達の写真は、母国 アメリカ国民にとって とても大きな勇気と希望になり、Hero達は母国に呼び戻され市民に国債を買ってもらうという政府の道具にされる。
道具にされたヒーロー達の心境と硫黄島での戦いをオーバーラップさせて描かれてるんだけど、
正直 表現に的が絞りきれなかったんじゃないかと思った。
真珠湾戦争を機に、数年に渡り 繰り広げられた太平洋戦争。
それを、2時間くらいの映画で全て表現するのは絶対無理な分けで・・・・。
やっぱりね、映画にしようと思ったら、的を絞らないとダメですよね。
まぁ、これでも十分 的を絞って作られたんだろうな~とは思いましたけど。
俺が20代だったら、この映画を見たら「凄い良かった~!」って言えたかもしれない。
でも、今の俺は「良かった~!」とは言えない。
もっと辛口で言わせてもらえば、これだからアメリカ映画は・・・。
って思えてくる。
深みが無い。
その典型が、先日見た「ワールド・トレードセンター」だった。
もう最悪。
ただ、クリント・イーストウッドが こういう作品を作ったという姿勢には共感出来るな!
そんなイーストウッド監督の日本の方へのメッセージは→こちら
戦争映画繋がりで言えば、丁度 今日発売された「戦場のアリア」の方が全然良かったな。
この映画はオススメ! 当然、俺はDVD買いました。
第二部「硫黄島からの手紙」に期待したいです。(12月9日封切り)
米軍は5日で終わらせると言った硫黄島での戦いを、日本軍は36日も戦いぬいた。
予告編で渡辺 謙が言ってた台詞にジ~ンとした。
次は期待を裏切らないで欲しいな。
っていうか、戦争の傷跡って深い。
NO MORE WARだよ。
※上映後、バカっぽい奴等が「次の方が見たいよな。中村獅童かっこよくない?」って言ってた会を聞いて落胆。
嗚呼、悲しき平和ボケ。