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【監督】フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク 【音楽】 ガブリエル・ヤレド 【出演】ガブリエル・ヤレド / マルティナ・ゲデック / セバスチャン・コッホ ほか ドイツ映画(2006年) 【Story】 ベルリンの壁崩壊直前の東ドイツを舞台に、強固な共産主義体制の中枢を担っていたシュタージ(国家保安省)の実態を暴き、彼らに翻ろうされた芸術家たちの苦悩を浮き彫りにした話題作。 監督フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルクが歴史学者や目撃者への取材を経て作品を完成。 アカデミー賞外国語映画賞ドイツ代表作品としても注目を集めている。 恐るべき真実を見つめた歴史ドラマとして、珠玉のヒューマンストーリーとして楽しめる。 シュタージ(国家保安省)の局員ヴィースラー(ウルリッヒ・ミューエ)は、劇作家のドライマン(セバスチャン・コッホ)と恋人で舞台女優のクリスタ(マルティナ・ゲデック)が反体制的であるという証拠をつかむよう命じられる。ヴィースラーは盗聴器を通して彼らの監視を始めるが、自由な思想を持つ彼らに次第に魅せられ……(ここはコピペですみません) ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 実に良い映画でした。 これが率直な感想。 先ず、データとして書いておきたいのが 監督。 33歳という若さの フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク 初監督作品。 ドナースマルク監督自身は西ドイツ出身で、旧東ドイツの実態をつかむまでのリサーチに4年を費やしたとか。 大量の文献を読み、当時の東ドイツを知る人々、元シュタージ職員、その犠牲者に実際に会って何時間もインタビューをしたり。 (キャストやスタッフにも旧東ドイツ出身者が多いそうです) ベルリン崩壊後までの一党独裁の監視国家だった旧東ドイツを描いた作品で、 ベルリン崩壊後 この類の作品がなかったとされる中、一人の新人監督が描いたのも驚いたし 才能も感じたし、「監視国家」故の国民の哀しみや苦悩は計り知れないもので、多角的に見ても色んな部分を上手く表現させている映画でしたね。 事実、主演のウルリッヒ・ミューエも旧東ドイツ時代にシュタージに監視されていたそうです。 この映画、日本では今年の2月に公開(地方によっては6月のところも)されましたが、主演のウルリッヒ・ミューエは その後他界されたそうです。(悲) 戦後の東西冷戦下、東ドイツ(ドイツ民主共和国)では国民を統制するため、国家保安省(シュタージ)が徹底して国民を監視していて、共産主義体制の下 個人の自由な政治思想は許されず、反体制的であるとされた者は逮捕され禁固刑が課されるというもの。 監督やキャスト等を見ても、この映画に対する意欲がうかがえるし、旧東ドイツ国民だった方の今でも消えぬ深い傷にも思えます。 劇作家ドライマンと その彼女であり舞台女優のクリスタ。 それを24時間体制で監視(盗聴)するシュタージのヴィースラー大尉。 ドライマンの友人である演出家の自殺を知らされ、ショックと悲しみの中 誕生日の祝いに その友人から「この曲を本気で聴いた者は、悪人になれない」という言葉と共に贈られた、“善き人のためのソナタ”という曲をピアノで弾く。 そして、この映画のキャッチフレーズともされる 『この曲を本気で聴いた者は、悪人になれない』 その一部始終を盗聴していたヴィースラー大尉も その曲の切ない旋律聴き涙するシーンなんかは以外だった。 劇中、いつも無表情で冷酷なヴィースラー大尉が二度ほど見せる人間らしい表情。 ドライマンとクリスタの私生活を見ていくうち、 中盤あたりからヴィースラー大尉に変化が見え始める。 この映画の終盤は、是非 自分の目で見て感じて欲しいと思いますね。 ハリウッド映画の様なハッピーエンドではありませんが、かなり切なくジ~ンときました。 監視国家の厳しさ等なども 上手く描かれ 一人一人の想いや人間模様も上手く描かれ、もうね 一つ一つの表現が凄い良かった映画でしたね。 超オススメです。 オススメついでに もう一本。 『ツォツィ公式』 「~拳銃を持つその手で、子供の命を拾った~」 ↑このフレーズ、実際に映画みると 少し違うのでは?と思ったけど。。。 でも、こちらも良い作品でした。 オススメっす! 「ツォツィ」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.10.21 01:56:38
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