昨日カウリー氏の話から脱線してしまい、本筋から話が大きくそれてしまった。彼のいう「Exiles」とは、第一次大戦後にアメリカの現実から「亡命」し、パリに芸術家村を作って住んでいた作家たちである。その中心的人物がガートルード・スタインであり、彼女のサロンに集ったのが、ヘミングウェイ、フィッツジェラルドといった、いわゆる「ロスト・ジェネレイション」(失われた世代)と呼ばれる作家たちであった。この「ロスト・ジェネレイション」とは、ある日サロンに集まったこれらの若者たちに、ガートルード・スタインが、「あなたたちは、『失われた世代』なのねぇ」と言ったことから、名付けられたという。
ヘミングウェイは、また、モパルナスのエコール・ド・パリの画家たちとも親しくしていた。この中にはピカソ、モジリアニ、キスリングに混じって藤田嗣治の名もあった彼らの共通のキーワードが「亡命」という、故国との関係性においての居心地の悪さである、ということは興味深いものがある。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.06.04 17:38:48
コメント(0)
|
コメントを書く
もっと見る