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カテゴリ:旅
聖フランチェスコは、裕福な商人の息子であったが、神の声をきいたと出家し、アッシジの修道院で清貧の生涯を終えたという。よく知られているのは、鳥に説教する姿であるが、無垢の魂の代名詞として数々の文学作品に登場している。 その終生の住まいとなったアッシジの聖フランチェスコ教会は、さまざまな人々が聖徳を慕って巡礼をするという。 翻るに、「神の代理人、ペテロの末裔」たるローマ教皇は、この世のキリスト教の権力を一手に集め、バチカンに壮麗なサン・ピエトロ寺院を築き上げた。 今回、先にアッシジを、次にローマを訪れ、聖フランチェスコ教会の静謐とバチカンの壮麗な寺院を見るに至り、思ったのは、「野のユリ」の故事であった。「野のユリを見よ。彼らは紡がす、漁ず。しかし、栄華を極めたソロモンでさえ、彼らの美にはおとるであろう」というこの旧約聖書のことばは、そのまま二つの寺院を象徴しているかのようである。 ミケランジェロは、「この犠牲をみよ」と、人類の救済のため命を捧げたキリストを造形した。しかし、今世界はあいかわらず紛争に満ちている。 どうか、この世界が至福に満ちた、居心地のよい世界になりますよう、祈ります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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